Arduino/ESP32/Rapspberry Piなどのマイコンを使わない電子工作シリーズ。
手を差し出すだけで必要な分だけ液体が出てくるタッチレス|非接触センサー式オートディスペンサーを作ってみた話。
回路は、DIY Automatic Alcohol Dispenser (No Arduino Needed)のPチャネルMOSFETタイプを踏襲、センサーも赤外線|IR衝突回避センサーを採用。
今回作ってみたのは、据え置きタイプ。
ボトル内の液体は、ハンドソープ(ミューズ/レキットベンキーザー・ジャパン)。
構造的には、だいぶ違いが。
ポンプには、水中ポンプではなく、蠕動式のチューブポンプ。
電源はUSBではなく、電池(スイッチ&蓋付き電池ボックス)ACアダプタ5V/1A。
防水性アップ兼装置全体の土台として電池ケースの更なるオモリの金属製ワインボトルキャップと回路のケーシング。
センサー部以外の回路は蓋上ではなく、土台としたケース内に電池ボックスと共に配置、土台ケースに配線用ケーブルグロメット(ゴムブッシュ)。
センサーはボトルに貼ったボトル同様に透明のフィルム構造物の上に配置。
ボトル内へのチューブ経路は、蓋上ではなくボトル上部に穴あけ&穴あきゴムブッシュを介して。
ワイヤーはチューブ内を通すのではなく、吐出側のみ外巻き。
チューブ以外、流体に触れないチューブポンプを採用したことで液体/リキッドは、いろいろ対応。
少なくともハンドソープとしてミューズ/レキットベンキーザー・ジャパン、キッチン用洗剤としてキュキュット/花王、アルコール消毒液を想定して水で安定的かつ実用的に使えることを確認済み。
ただし、エタノールやアルコール消毒液は、対応しないボトルも多いらしいので注意。
キッチンのシンクにも。
あ、ここは、ハンドソープじゃなかった...。
洗面所・洗面台にも。
トイレのシンクにも。
[2023/04/18]据え置き型キッチン洗剤用の自作タッチレスセンサー式オートディスペンサー2号機も完成しました。
[2023/04/20]壁掛けタイプ浴室洗面台ハンドソープ用の自作タッチレスセンサー式オートディスペンサー3号機も完成しました。
吐出口付近に手をかざすだけ。
IR障害物センサーが検知すると即、吐出、検知している間、点滴状に、ずっと吐出したまま、検知しなくなると即、停止。
液体の補充は普通に広口ボトルの蓋を回し開けて。
電池交換は土台としたケース背面のバックルを外し蓋を開けつつ、電池ボックスを取り出して。
極めてシンプル。
100均とAliExpress相場なら電池ACアダプタは別として1000円もあればできるでしょう。
チューブポンプは、数日前に注文した水中ポンプが不良品で他を探し、同じものを避けてみたら結構割高感があり、違うタイプを選んだ結果。
チューブポンプの付属チューブは短く、細過ぎてノギスでも計測できず、目見当で注文してみたら、ことごとくハズレ、食品、医療、蠕動ポンプ用とあらゆる用途の近い径のチューブや内外径の太め・細めなど、チューブだらけに。
実際は、どうも1.*mmx3.*mmくらいっぽい。
そんな中、蠕動ポンプ用を凌ぎ、2mmx4mmは内外径ともにサイズは若干太そうながら硬さの程よさでバランスがとれたようで当該LATEX製サージカルチューブが唯一ピッタリというか付属チューブより良好という結果になった次第。
センサーは、自作タッチレスセンサー式スイング開閉スマートゴミ箱の時と同様、超音波センサーHC-SR04と比較検討の結果、太陽光や室内灯の影響を受けにくい、明暗差の激しくない場所での使用を前提に、マイコンレスでも機能するIR衝突回避センサーを採用。
尚、このタイプのIR障害物回避センサーは、受光側LED(フォトトランジスタ)に黒い熱収縮チューブを被せるのが必須、そうでないと、基本、検知(常時出力がある)状態になり、まともに機能しません。
ボトルは、当該ディスペンサー自作用を想定し、アルミ蓋の六角形が気に入ったので買っておいたもの。
ハンドソープもキッチン洗剤も置き場確保の為か市販品も少容量タイプが主流、自身は、手洗い・うがいを励行する人なので使うことは、まずないですが、来客時、人により、アルコール消毒したい人もいるかな程度で実際使う機会はない可能性も高いということもあって、あえてボトルは少容量にしましたが、中容量・大容量でも使い勝手は同じです。
片開きのケースは、電池ボックスはむき出しでもいっかと一瞬思ったものの、装置のベースにすれば重量もあって安定する...が、ボトルだけならピッタリ、バッチリ載るが、チューブポンプが載らない、一回り大きな、このカードケースなら両方ともほぼジャストサイズで載る、水滴が垂れることもあるか?ってそれ以前にハンドソープやキッチン洗剤なら水回りで使うこともあるわけでと防水性アップも兼ねて主に回路収納用に自身お気に入りの100均によくあるカードケースを選定。
モーターケースにしたスプレーボトルのキャップは、以前買って持っていたもののサイズが、ちょうど良かったので。
抵抗とダイオードは、参照先の回路に倣って、後者に使ったのは、唯一手持ちのIN4004。
ACアダプタは壊れた何かの付属品で手持ちの5V/1A。
電池は何でも良いですが、自身はある時点から、ほぼ全て充電池にシフト、試しに買って検証用にしているセリアVOLCANOやダイソーReVOLTESもそれぞれ数本持っていますが、実用品には、基本、お気に入りのエネループ。
ケーブルグロメット・ゴムブッシュは、ボトルにチューブを通すのに蓋上だと蓋を外す際、邪魔、それと何かの理由でチューブを替えることもあるかも?ボトルに穴あけるとしたら...、ゴムブッシュ!工作で使ったことはありませんでしたが、存在はなんとなく知っていたので、これ用に買ったのですが、たくさんあるし、本来の用途の配線でも要るなとボトル x1、土台ケース x2で3個使用。
チューブ外径と同じ穴径のゴムブッシュを買ったのでそこからは漏れにくいですが、ゴムブッシュの外周からは漏れるでしょうから、必要ならホットボンドで補強しておくのが良いかと。
輪ゴムは、吐出側チューブの根元を立ち上げ・固定する為に。
熱収縮チューブは、IR障害物回避センサーの受光側LED(フォトトランジスタ)に黒限定で、また、必要に応じて同センサー配線延長時に使用。
ユニバーサルボードは、参照先のように空中配線というか、パーツ同士をハンダ付けするのは、やったことがなく難しそうなのと、ありそうもないですが、万一、パーツや配線の交換があった時は、ユニバーサルボードの方が何かと容易かなとか。
配線は、必要に応じてユニバーサルボード上や配線延長時に。
今回、IR障害物回避センサーのピンにメスのジャンパワイヤーを挿し、ホットボンドで固定、他方はユニバーサルボード上でハンダ付けしたかったのでケーブル状にする為、切断、長さが足りなかったので延長しました。
自身は、ケーブル・コード類は新品も結構あり、これを使うことももちろんありますが、特にユニバーサルボード上では、ちょっと硬いですが、何かの時にととってあるソケットがユルユルになったり、ピンがひん曲がったりしたジャンパワイヤを切って使うことも多いです。
ハンダは、ユニバーサルボードとケーブル延長時など。
透明のシートは、IR障害物回避センサー、ボトル直だと微妙、自作スマートダストボックスの時みたいに土台つければいっか、でも、手持ちのプラバンは白だしなー、あ、加工用に買っておいた100均の透明の下敷きや何かのシートの切れ端があった、切れ端は100均の液晶フリーカット保護フィルムかな?それなら新品もあるな...。
結果、後者の十分な大きさの端切れを使用、良きサイズの長方形に切り、ろうそくで炙って平面部を折ってホットボンドを使って三角おにぎり状にし、ボトル側面の良き位置におにぎりの底が真上を向くようにホットボンドで貼り(ボトルが六角形なので貼りやすかった)、その平面上にIR障害物回避センサーもホットボンドで固定。
ホットボンドは、透明シート上にIR障害物回避センサー、透明シート構造物をボトルに、ボトルやモーター土台のスプレーキャップを土台にしたケースに固定等々で使用。
オモリとしたワインボトルキャップはなくても可、一般に液体ボトルは液体の重さだけで安定して立っているので。
DCジャック以外、回路は冒頭の参照リンク先のPチャネルMOSFET版、そのまま。
電池ボックス以外、回路は参照リンク先のPチャネルMOSFET版、そのまま。
初めて、もしくは、ホース内がエアーのみの状態である場合には、ホースの長さの分だけ空気以外の流体が吐出口付近に行き渡るまで僅かながら時間がかかります。
2回め含む以降は、吐出口先端までボトルに入れた液体で満たされているので即、吐出します。
時に停止した際、流体によって吐出口に鼻ちょうちんのように垂れそうで垂れない水滴や泡が残ることがありますが、ご愛嬌。
仮に吐出口先端が泡々になっても水滴がぶらんっとしても揺らさない限り、落ちることはないはずですが、気になるなら、良い加減のところまで手をかざし続けるか、受け皿を。
作る前の脳内検証時、チューブポンプによる点滴(脈動)状態だとどうかなとも思ったのですが、5V程度通電すれば、一定の粘性のあるハンドソープや台所用洗剤、粘性が極めて低く、手に擦り込むことの多いアルコール消毒液については、全然アリでした。
見た目も動きもウィウィウィ...的な静かな動作音もかわいいチューブポンプ、自作品に採用した愛着もあり、とても癒やされます。
前述の通り、正確に検知させるため、IR障害物回避センサーの受光部は、黒いもの(ジャストフィットさせるのに熱収縮チューブが最も都合が良いと思われる)で覆うことは必須です。
また、これも前述の通り、IR障害物回避センサーは、光の影響を受ける、特に太陽光の影響は大きい(自身の検証では、通常、数cm程度の検知距離が2m前後になることもある)ので使用時間(なんなら季節、月、天候等々)を通して明暗差の激しい場所では、驚くほど検知距離に違いが出る場合があります。
直射日光にさらされない場所であれば、かつ、照明のみでも極端に明るい場所でもなければ、極々、一般的な照明がついていても安定して数cmの検知距離を保てるはずですし、真っ暗くても暗い分には、数cmで検知できます。
もし、こうした条件が合わないようなら、マイコンが必要にはなりますが、超音波センサーを使うのが良いでしょう。
土台にしたケース、バックルが見えない方が良いかな、バックル側のデッドスペースが穴あけにちょうどよいかなとバックル側を背面にし、ゴムブッシュを介して配線を通す穴もバックル側に設け、想定内ではあったので配線は長めにして引き出せるようにはしておいたものの、正面にした際よりケースの開閉がしにくくなったので用途別の次回作は正面にしようかと。
電池の消耗具合については未検証ながらも、IR障害物回避センサーが常時電源ON(電源LED点灯)しており、電力消費する点は異なるものの、同様にマイコンレス・NチャネルMOSFET+リードスイッチ+任意の長さのLEDテープライトによる家具の扉や戸の開/閉で庫内照明点灯/消灯装置は、長いものは、今尚、記録更新中で今日時点、既に1年10ヶ月以上もっているので相応にもつことを期待。
ぎょっ、電池だと2日ももたないことが判明...、ただいま、対策検討中 =>> 電源をACアダプタに変更。。
尚、電池電圧が下がったある時点から常にセンサーがON、モーターが回り、電池切れまでの間、液体を流し続けていた模様。
よって電池やモバイルバッテリーでも電池切れ直前同様になると思われるので電池では厳しく、参照サイト同様、USB電源か、ACアダプタ、電圧によっては、降圧など電源供給方法変更必須となりそうです。
幸い、1号機使用中の場所は、電源タップ延長ケーブルかケーブル配線は必要となるものの、比較的電源はとりやすく、5V 1Aや5V 2AのACアダプタ、端子台出しのACジャックアダプタやケーブル出しのACジャックも手持ちがあるのでプラグケーブルを切断することなく、前者のACアダプタにでも替えようかと。
にしてもIR障害物回避センサー、赤外線LED、フォトトランジスタ、電源LEDとあるからか意外と電気食いっぽい...、人感センサーでも噛ませてみようかな...。
=> 同日、ACアダプタ5V/1A+端子台出しDCジャックコネクタ+配線ケーブルを電池ボックスの代わりに配線し、対処することにしました。
製作・使用から約7ヶ月、チューブ硬化により吐出しなくなったので初のチューブ交換。
1号機については、1〜2ヶ月前から吐出が遅くなるという兆候がありました。
他方、原因不明も2号機、3号機は機能面でのわかりやすい兆候はなく、ある日突然吐出しなくなる印象。
全機共に時間軸的な程度の差こそあれ、特に液体に触れている部分のチューブについては、次第に硬化、収縮して細くなる傾向はあり。
1号機と流体が異なる2号機、流体も同じ3号機は、チューブ交換頻度がより高い一方、一定というわけでもなく、原因の特定には至っておらず。
初のチューブ交換から、ちょうど4ヶ月、チューブ硬化により交換ではなく、長めにとってあった吐出側のチューブを蠕動モーター側にずらし対処。
んー、もっともチューブ寿命が長かった1号機も今回は短い...。
1〜3号機とある中、使用する液体、光の加減かセンサーの誤検知による吐出、気温、湿度も影響するのか、チューブ寿命にばらつきが...。
チューブ交換、前回同一チューブをズラして対応してから約4ヶ月。
今回も長めにしたので次回もズラして対処できるかと。
7ヶ月もった時のチューブの在庫がなくなり、改めて買った現行チューブだと4ヶ月、同じ内外径のLATEX製でもチューブによって違いがあるのか、最初に7ヶ月もったのが不思議だったのか...。
ここ数日、出が悪いが、チューブは先月、交換したばかり...と思ったら、なにかの折にあけてしまったようでチューブに穴が...というわけでチューブ交換。
気づけば、タオルが覆いかぶさったままになっており、センサーが検知しっぱなしで液体も出っぱなし、その後、何かの拍子に容器側チューブが蠕動モーターに引き込まれ、チューブが液体の外に出たまま、モーターが空回り...していた模様。
この際、引っ張られて伸びたのか、容器〜モーターまでのチューブが細っていた、かつ、特定はしていないものの、チューブのどこかに負担がかかり、また破けた模様で組み直してもチューブ長の範囲でズラしてみても吸い上げなくなったのでチューブ交換...。
チューブ全体が硬化・収縮により、チューブ交換。
1ヶ月ちょっとしか、もっていない...。
10月も暑い日も多いものの、9月も暑かったからか、やはり、同じLATEXチューブでも材質や成分が異なるものがあるのか...。