Wi-Fi(wifi)モジュールESP8266/ESP32の開発ボードを使ってAC100V含む赤外線リモコン対応家電や自作スマートコンセントで非IRリモコン家電を無線で遠隔操作できるリモコン信号送信装置、いわゆるスマートリモコンを自作するシリーズ。
ESP8266/ESP-WROOM-32チップ単体やピッチ変換モジュールとの併用はより省スペースではありますが、ESP8266/ESP32開発ボードを使う方が、何かと手間もなく、無難です。
今回は、最近買って今日届いたエアコン東芝 大清快用のスマートリモコンを作りました。
と言っても既にESP-01/12/ESP32でSHARP製エアコンをWiFi操作させており、方法は全く同じです。
当初、パソコンやタブレット、スマホのブラウザから、これら家電を遠隔操作することを想定していましたが、今となっては、自身は、自作スマートスピーカーやメインPCにも搭載の自作スマートスピーカー機能を使って音声で操作するのがメインとなっています。
よってブラウザからの無線操作のみならず、自作ラズパイスマートスピーカでエアコンを音声操作可能にします。
ちなみに東芝 大清快は、WiFi対応でスマホから操作できたり、VOiCEコントローラなる専用スマートスピーカーがあるようです。
が、前者については、外から使う予定がないこと、使うにしてもIFTTTなどを使えば済みそうなこと、利用にあたっては、有料会員登録が必要な模様であること、自作スマートリモコンを使えばよいこと、後者については、別途購入が必要な模様であること、対応は機種によるらしいのですが、対応しているのか否かよくわからないこと、これも自作のスマートスピーカーがあることから、何れも自作品を使うことにします。
今回はとりあえず、ecoモード、暖房、冷房、除湿、空気清浄機能(プラズマ空清)の運転・停止、設定温度の上げ下げ、節電ボタン(10秒長押し)あたりを実装することにしました。
スマートリモコンを作るにあたっては、全ては「操作(ボタン・メニュー)に対して、どんな並びの赤外線信号を送信するか」であり、基本的に、これら以外の違いはなく、家電による差もない為、ハードウェアもソフトウェアも共通。
よって作り方の詳細は、冒頭の自作スマートリモコンのリンク先に譲ります。
事前準備としては、markszabo/IRremoteESP8266などESP8266用の任意のIR信号送受信ライブラリを使い、ESP8266で送受信回路を作って機能させたい家電のリモコンから受信機に信号を送信、これを解析して(読み取って)おき、操作ボタンと信号のリストを作っておきます。
尚、今回の家電はエアコン(東芝製)ですが、IRremoteESP8266のIRrecvDump/IRrecvDumpV2では(信号方式としては)、UNKNOWNだったので、sendRaw()関数を使って生(raw)データを送ることにしました。
ライブラリには、IRremoteESP8266を使わせて頂きました。
自身もそうしましたが、この手のESP8266のスケッチ・プログラム概要としては、Webサーバを立てSPIFFSによりESP8266のメモリ上にトップページに各種ボタンを配置した操作画面となるHTMLファイルを置き、他に操作ごとのページ(URLだけあればよくHTMLファイルは不要)を作り、そこにアクセスするとそれぞれの操作信号を送信するという作りにするのが一般的でしょう。
APモードにする必要はないので、ここではステーションモードとしています。
mDNSは、仮にesptoshibaairconとしたのでesptoshibaaircon.localでPCブラウザなどからアクセスでき、SPIFFSでHTMLファイルをアップロードしていれば、例えば、操作画面が表示され、esptoshibaaircon.local/ECO_MODEにアクセスすると個別にエコモードでエアコンを起動操作できるようになっています。
今回、エアコンで使うことになったirsend.sendRaw()の引数は、uint16_tだったため、IRrecvDump/IRrecvDumpV2ではunsigned intだったrawデータの型、データ長格納用変数もuint16_t型とし、定数であるリモコンで多く使われるという周波数38(kHz)もuint16_t型の変数に代入しました。
ただ、htmlFile.read(buf, sizeでつまづき、SPIFFについては、(試してないのでなんですが、たぶん)未解決です。
それでもブラウザからは操作できているので、とりあえず、よしとしました。
[2019/05/06 訂正・追記:]
勘違い...、太字で強調しましたが、こんな風にしたら、SPIFFSで操作パネルを表示する恰好でいけました。
元々あった2箇所3行のコメント行をやっぱり有効にする。
handleRoot()内にコマンドの数だけ条件分岐を追記(これを忘れてたのが元凶)。
これは前段のスケッチでも修正済みですが、void Power()など各関数のデータ長計算時の分母の方のsizeof()の引数をuint8_tからuint16_tに修正。
あと前掲のスケッチは、bufやBUFFER_SIZEをコメントアウトしただけで代替がないのでserver.send(200, "text/html", (char *)buf);行でエラーになります...ね、すみません。
同じく、SPIFFSでサーバとするESP8266/ESP32ボードのメモリ上に保存するエアコン用のHTMLファイルは、こんな感じにします。
尚、inputタグのvalue値を日本語にするとブラウザ上のボタン表記も日本になりますが、この場合、スケッチ側のindexOf()判定も同様にする必要があります(先のスケッチでは英数字になっています)。
onClickイベントを使っている方は、inputタグのtype属性値をbuttonに、ESP8266/ESP32にデータを投げる方は、typeをsubmitにしないと機能しないので要注意です。
ちなみにメモリ上に配置するファイルサイズさえ許容されれば、HTMLファイル上で使うCSSやJavaScriptは、あくまでスマホ、タブレットやPCのブラウザで処理されることである為、ESP8266/ESP32ボードで使えるかどうかを気にかける必要はありません。
前掲のスケッチでは、mDNSをesptoshibaairconとしたのでブラウザでesptoshibaaircon.localにアクセス、HTMLファイルを先のように書いてあるとこんな感じになります。
メインメニューに戻ると例えば、メイン操作パネルのようになります。
HTMLファイル例に書いたようにメインメニュー用のESP8266/ESP32サーバの方は、mDNSをesphamainsrvとしたものと想定し、location.hrefにesphamainsrv.localを設定しています。
もちろん、無線なのでAC接続USB充電器やモバイルバッテリにつないだESP8266/ESP32などと相互にmDNS.localでもIPアドレスでもアクセスできます。
エアコンに自作スマートリモコンのESP8266/ESP32赤外線信号発信器を設置してみました。
配線カバーを使ってエアコン反対側面の床面付近にある壁面埋め込みコンセントからAmazonで買った3mの1口電源延長コードを這わせたところ、若干長すぎた、かつ、コンセントプラグやUSB充電器がエアコンに近いと配置しづらいと思い、迂回することに。
ESPモジュール(開発ボード)を入れるケースには、テレビでも使うことにしたダイソーで5個108円、青色半透明のミニケースを、上面以外を白く塗るなり、白半透明、無色透明ケースを探すなりしてもよかったのですが、邪魔になる色味でもないのでよしとしました。
USB充電器はダイソーの200円商品の白、USBケーブルは、ちょっと長いなと思いつつも100均のAndroid/iPhone共用ケーブルの白 50cmを使おうと思っていたのですが、途中、内部断線したのか、通電しなくなったので、やはり、100均の30cm平ケーブル 黒に変更しました。
回路は、意味もなく、いつも選んでしまう220Ωのカーボン抵抗と赤外線LEDのアノード、これらをピンヘッダなしのESP開発ボードの信号用GPIO/GNDに直接はんだ付けしました。
赤外線LEDは1個、やや上向きとは言え、正面方向を向いていますが、送信した信号は、その上の操作時アイコンなど運転状態が表示されるエアコン傾斜部分にあると思われる赤外線受信機に届いています。
ケースは、エアコン面に白い養生テープを貼り、両面テープ付きマジックテープで固定、割りと広めに貼ったので多少なら前後左右にずらすことも可能、そうした機会はあっても稀でしょうが、ケースのフタ側を下にすることでケースを外さなくてもESPボードを取り出しやすいようにしました。
当初の赤外線送信機の設置方法だと引き回した長さもあって電源延長タップケーブルが重すぎて剥がれやすかったり、見栄えもイマイチだったりしたので位置を変更することに。
新たな場所は、シーリングライトと天井の間。
というのも遅まきながら、先日、この紐で引く蛍光灯のシーリングライトもESP32+サーボMG90でスマートライト化、これに際して天井とシーリングライトの間に絶妙な空間ができ、エアコンとの位置関係も絶妙なので。
回路は、WROOM02を使った赤外線リモコン その1の940nm赤外線LED2個直列、R1 10Ω、R2 680ΩはそのままにトランジスタをNチャネルMOSFET IRF530N、電源3.3Vを5V(ESPボード上のVIN)に変更、ESPボード共々7cmx9cmのユニバーサル基板にはんだ付けしたもの。
当初は、ESPボードに直に抵抗+赤外線LEDをはんだ付けしていましたが、今回ESPボードは、ユニバーサルボードにピンヘッダ メス、ESPボードにピンヘッダ オスをはんだ付けし着脱・交換可能に。
940nmの赤外線LED1個でも届いた信号が、3.3Vだと信号が届かないっぽい、余裕をもって計算されてる模様、パルスなら電流多めでもいけるっぽいということで。
NPNトランジスタもあったのですが、なんとなくMOSFET、手持ちの内、一番最初に手にとったものをチョイス。
なんとも適当...、いい加減さの真似は厳禁。
検証の際は、角度的に(IR送信機がエアコンを見下ろす感じなのに加え、受信パネルは斜め下向きで)Wi-Fi反射板がいる感じでした。
が、反射板なしでエアコン側端に位置する天井とシーリングライト間にエアコンめがけ斜め下向きにユニバーサルボードがバッチリはまった位置からスマホで自作ブラウザ操作パネルをポチってみれば、なんと1発OK。
何から何まで絶妙。
ESP8266とリモコン参照。
エアコン操作用自作リモコンの場合、設置位置には注意が必要です。
赤外線LEDにもよるでしょうし、LED先端付近において光線が拡散しない工夫の有無にもよるでしょうが、自身が今回使ったものは、指向性が高い(向きが重要な)ものであり、赤外線LEDは、ブレッドボードに挿した状態で使用しました。
赤外線LEDを3つ装着して試してみたところ、エアコン側の受光部と水平位置であれば、1m程度離れても、多少の傾きなら下方向からも操作できましたが、あまり角度を付けると操作できませんでした。
ちなみに赤外線LEDが1つしかない専用リモコンでは、2〜3m離れても、広角でも操作できます。
テレビなどなら受光部付近に設置しやすいですが、エアコンは、往々にして天井付近にあるので常用するなら、赤外線LEDの光線を増強して自作リモコン(赤外線発信器)置き場に自由度をもたせるか、光線が届くよう工夫して設置する必要があります。
自身は、エアコンの受光部付近に自作の発信機を配置する予定なので信号の増強は考えていません。
欲を言えば、エアコンに限っては、音声やスマートリモコンから操作した場合に備えて例えば、エアコン専用リモコンにON/OFFボタンなどがついていてリモコンの電源を入れたらエアコン本体の運転状態を自動受信してくれたりするとありがたいんですけどね...。
現状だと例えば、音声操作時とエアコン専用リモコンの温度設定が異なる場合、音声(遠隔)操作後、専用リモコンを併用しようと思うと微妙な状況も...。
ん?古いシャープのエアコンではそんなことなかったんですが、この新しい東芝エアコンは、ESPによるリモート操作やラズパイスマートスピーカーから操作した後、エアコン専用のリモコンを操作すると機能するまでに時間がかかる!?気がするのですが気のせい...?
もしかして最近のは、昔のと違って?もしくは、昔の以上に?室内機とリモコン間で同期とってる?