ワンボードマイコンとは、当初、評価ボードとして登場、特定機能を評価する上で入出力を含め、プリント基板上に必要最小限の電子部品で構成された筐体もない、むき出しのマイクロコンピュータで技術者が何らかの製品の試作に、また、個人の趣味による、いわゆる電子工作として利用されるようになりました。
時を経てPCが、そしてベアボーン、シングルボードコンピュータが市販されるに至り、IoTがもてはやされるようになった昨今、ハードウェアもこなれた価格になり、超高機能なソフトウェアもオープンソース化され、技術の進歩と共により高機能でより小型化されるなどの環境も相まってシングルボードコンピュータとは異なる特性を持つワンボードマイコンも組み込み用途などの製品の一部として、また、価格がこなれてきたことにもあり、個人でも容易に利用しやすい状況になり、試作や電子工作の域を越えた使い方もされるようになってきています。
身近な家電にもこうしたマイクロコンピュータが軒並み使われており、日常的に多くの人々が実際に触れて何の違和感もなく利用しているわけで、単なる組み立てキットに留まらず、今や仮に職業も無縁、理系でもない一個人でもドローンを含むラジコンやロボット、3Dプリンタ等々の自作も視野に入るほどの環境になっていると言えるでしょうし、昔から世界的快挙を成し遂げるような天才的な子どもは数少ないながらもいましたが、小学生からコンピュータ教育を取り入れよう・取り入れているという今、年齢の垣根もなくなってきているとも言えるでしょう。
ワンボードマイコンとして人気があるのは、やはり、ハードウェアが安価で有用なソフトウェアの多くが無償でインターネット上に情報も多いWiringに端を発したArduinoでしょう。
ちなみに、こうした一般に市販され、電子工作やIoTで利用されているワンボードマイコンは、シングルボードコンピュータのようにOSをインストールする必要もなく、PCなどにつないで実現したい機能のプログラムを書き換えて読みこませることでいろいろなことができるようになっています。