親戚が掲載された書籍を買うべく、何をとち狂ったか、紙バージョンではなく、Amazon版しかない電子書籍を選択、そもそも読書の習慣がなく、まして以後、電子書籍を買うつもりもないBSD er|PC UNIX er|Linux erとなって久しい自身が、AndroidスマホのKindleアプリで、Debian 11 bullseye上のブラウザからKindle Cloud Readerで、VirtualBoxの仮想マシンのWindows 10上のKindle for PCで、また、Wine上のKindle for PCで読書してみた話。
結果、小説や漫画ではなく、雑誌だったからでしょうか、Kindle端末や大画面タブレット、タッチパネルPCはさておき、Linux環境でKindle本を読まなきゃいけない状況に陥ったら読みたくなったら、マウスパッド付きノートPCかつ、WineでKindle for PCるのが、一番、マシ良いかな。
もちろん当初、AndroidスマホにKindleアプリをダウンロード、読んでみようと思ったら、字がちっちゃい...、拡大すると画像の時以上に煩わしい...。
話にならないのでAnyCastで40インチテレビにミラーリングしたものの、等倍(100%)では、とても読めず、200%?に拡大してなんとか親戚のページだけ読みました...。
とはいえ、Kindle端末やタブレットなら状況は違うのかもしれませんが...と思って検索してみても、そうでもないという意見も散見され...Kindle端末の出来もイマイチのものが多いようで「Kindleたるんどる」状態っぽい...。
そんなこんなで興味もなかったものの、電子書籍の現在地って、まだ、こんな感じ!?とショックを受けました。
尤も出版業界関係各所がレイアウトにもこだわり抜いて作った書籍・雑誌を、ましてスマホの登場でレスポンスデザインも当たり前になったWebと融合させようとしたら、PDFライクなところが落とし所であるのもわかりますから、致し方ないところですけどね。
簡単に書きましたが、PDFだってすごい技術ですから。
話を戻すと、せっかく買った電子書籍(雑誌)、内容はおもしろそう、他のページも読みたいものの、ミラーリングしても拡大が必要となるとテレビを見ながら、スマホを操作しなくてはいけないのは、苦痛でしかない...。
同じ拡大が必須なら、パソコンの方が、特にマウスパッドのあるノートPCの方が、圧倒的に操作しやすい。
ならばと、Debian上で最も手軽なはずのKindle Cloud Readerを試してみましたが、メニュー以外の肝心なコンテンツの拡大ができない(拡大しても変わらない)バグに遭遇し、断念。
続いてDebian安定版リポジトリにあるwine 5をインストールして試したものの、一発でうまくいかず、検索。
するとwine、Kindleのみならず、Windowsのバージョンとも相性があるらしい。
また、Kindleを読むには、Geckoが必要らしく、wine 5.xまでは、これに未対応とのことでwine 6以上が必要な情報が...と思ったらGecko / WineHQ Wikiによるとある...5.0だとないってことだったのかも?
そもそも8年ほどWindowsレスで何の問題もなく過ごしてきたこともあって当初、興味本位で試したこともあるWineの功績は素晴らしいし、仮想マシンよりも手軽であるとは思うものの、相性がシビアなWineを使うことは、ほぼありませんでした。
そんなこんなで面倒だとも思いましたが、wine 5を削除して、Ubuntu 21.04 で Kindle for PC を使うを参考にwinehq.orgのリポジトリを登録、最新版をインストールし、確認するとバージョンは7.0。
尚、https://dl.winehq.org/wine-builds/には、他のディストロ含め、debian、そしてbullseyeもあったのでリポジトリにはこれを追加しました。
また、自身の環境自体は64ビットですが、64ビットだとうまくいかないという情報も見かけたので、そのままアーキテクチャーとしてi386を追加しました。
Kindleも最新版のインストーラをダウンロード、wine インストーラ.exeとして同じく最新版1.38.0(65290)をインストール。
あっさり、Kindleは起動したものの、書籍ダウンロードのための登録なるAmazonへのログイン画面でログインすると、なぜか「〜さんのKindle for PC」までタイトルが表示されつつ、ログイン直後に落ちるバグに遭遇。
息抜きにVirtualBox上のWindows 10にKindle for PCをインストールしてとりあえず一部コンテンツを読んでみましたが、やはり、仮想マシンを起動してからKindleを...とやっている間に読みたい気も失せ、息抜きにもならない始末...。
そこで気を取り直してWine 7.0と Kindle 1.38.0(65290)で再チャレンジ。
これでいけるはずです。
この時、Windows 10にすると3の直後落ち、Windows 8.1や「まもなくサポート切れ間近」のアナウンスは出るもののWindows 7なら大丈夫でした。
が、それだけではダメで併せて次に端末からKindleを起動するのがミソ、この時点ではデスクトップアイコンから起動してはダメ。
つまり、謎の解決策としては、WineでKindleを登録する際は、Windows 10以外のバージョンにして、端末からKindleを実行することです。
ログイン後落ちることなく、購入した書籍などが表示され、読むことができるようになった後は、先の[登録]タブでも登録済みになっているはず。
また、その後は、winecfgでWindows 10にしておいても[登録]タブで登録解除しない限りは、次回以降、[登録]された状態で起動し、落ちることもありません。
登録さえできてしまえば、以降は、Debian上のデスクトップアイコンのダブルクリックでKindleを起動させても大丈夫です。
めでたし、めでたし。
尚、[登録]タブで登録解除して改めて登録する場合は、同じようにする必要があります。
というか、あれこれやってできた後、イチからやってみようと思ってやり直してみたら、この手順でないとダメなことが判明した次第。
ところでwine環境内に日本語フォントを入れないとKindle For PCではAmazonログイン画面あたりで派手に文字化けします。
また、入力文字は、日本語でなく、アルファベットですら、化けました。
そんな時は、apt install winetricksなどとしてwinetricksをインストール後、メニューから選択、または、端末で単にwinetricksとしてGUIで、もしくは、winetricks -q fonts corefonts cjkfontsなどとしてCLIで汎用フォントcorefontsや日本語/中国語/韓国語対応フォントcjkfontsをインストールしておけば解消するはずです。
尚、winetricksのGUIから[Select the default wineprefix]を選択後OK、次画面で[Run winecfg]を選択後OKでwinecfgを実行することもできるなど、いろいろなことができます。
終了は、開いた画面分だけ[Cancel]するか、起動した端末上で[Ctrl]+[C]、バックグラウンドならps aux | winetricksしてkillやpkillするなどします。
wineでインストールしたアプリのアンインストールは、wineアンインストーラで行うことができます。
wineアンインストーラは、こんな感じでタイトルが『プログラムの追加と削除』になってますね、そう言えば、Windowsには、あったなーそんなの。
一方、少なくともDebian bullseyeには、Q4WineというWine用のGUIパッケージがありました。
Q4Wineを起動するとこんな感じ。
バージョンは、1.3.12。
Q4Wineでもアプリを起動したり、Wineアンインストーラを呼んだり、winecfgを実行することもできます。
が、Q4Wineをインストールすると依存関係としてDebianリポジトリの現時点では、wine 5もインストールされてしまうので微妙かも。
Wine使えますね、こりゃ見直しました。
でも、Windowsアプリで使ってみたいものはない。
とは言え、使いたいものが見つかったら、仮想マシンより、真っ先にWineを使ってみる価値は充分にありますね。
まぁ、何れの方法にせよ、今回買ったKindle本で一番小さい字まで読もうと思ったら、最大の400%に拡大しないと読めませんね。
ちなみにKindle for PCなどでダウンロードしたコンテンツは、Kindle端末で読めるとされた一方、一時期、CalibreでDRMコンテンツが出てきてから、これにDeDRMプラグインを使えば、読めたらしいですが、Kindleのあるバージョンから読めなくなったとか。
不正取得及び転売などは当然ダメですが、自分で買ったものを自由にできないのは、リース・レンタルしてるみたい、仮にサービス終了されたり、買ったところがなくなったら、コンテンツも消えてなくなるのかと思うと、ちょっと微妙。