この内容は、無料で使えてインストールも設定も簡単で手持ちのPCの中に擬似的なパソコンをいくつも作れてしまう各種仮想化ソフトウェアを使ってMS-DOS/FreeDOS/Windwos/PC-UNIX/BSD/Linux...etc.といった各種OSについてRAMベースでどの程度あれば起動するのかに着目し、検証してみた結果です。
尚、当然のことながら、追加含むアプリケーションが必要とするシステム要件、もし、物理マシンへの導入にあたって参考にする場合は、仮想化ソフトウェア及び仮想マシンや当サイト検証環境との何らかの差が生じる可能性については、別途考慮が必要です。
例えば、ここで示すRAM容量は、各仮想化ソフトウェアの仮想マシンに割り当てた値ですが、それぞれある容量以上のRAM値を指定した場合は、ゲストOS起動時にVirtualBox 4.2.12では、約10MB、QEMU/QtEmu 1.0.5では、約14MB、VMware Player 3.1.6では、約17MBほど仮想マシンの指定RAM量からメモリを消費するようです。
ちなみにCUI(Command line based User Interface)は、shellベースのコマンドライン入力、GUI(Graphical User Interface)は、グラフィカルなウィンドウマネージャを含む、いわゆるデスクトップ環境を指します。
検証の詳細については、各OSのリンク先を参照下さい。
メモリ64MB~128MB未満 | |
---|---|
CUI | GUI |
メモリ64MB~128MB未満では、コマンドライン環境でDebian GNU/Linux 7.2、FreeBSDベースのLiveCD版Frenzy 1.4、SliTaz base Live 4.0、グラフィカル環境でTinyCore(Tiny Core Linux 4.5.2及び5.1最小GUI版)が作動します。
VirtualBox 4.1.12においてソフトウェアを最小限に抑えたTiny Core LinuxのGUI版TinyCoreは、64MB以上で作動、Frenzyは、メモリ32MBでは強制的にシングルユーザーモード、64MB以上で通常起動します。
Debian GNU/Linuxは、VirtualBoxでは、起動に時間はかかるものの48MBでも作動しますが、起動時間にも違和感なく利用するには、64MB以上あった方がスムースな挙動を示す為、2つのレンジで重複掲載(*)しています。
SliTaz base Liveは、グラフィカル環境も提供するSliTaz(LiveCD)のshellベースのCUIです。
Gentoo(install-x86-minimal-20121213.iso)LiveCDイメージは、VirtualBoxでは、RAM96MB以上で起動しますが、最新版LiveCDイメージ(install-x86-minimal-20140128.iso)は、256MB以上必要でした。
尚、Tiny Core LinuxのTinyCoreが、このメモリ64MB~128MB未満というレンジで利用可能になっていますが、より上位に位置するフルスペックGUI版のCorePlusがメモリ128MB以上を要することを考えると最小限のソフトウェアで構成されたGUI版であるTinyCoreに構成を追加し、128MB未満で利用したい場合、相応にシビアな選別が必要かもしれません。
ちなみにRAM128MBマシンのOSを入れ替える可能性を探っている過程でこうしたページも結果として作成しているわけですが、技術の進歩によってどうしても希望するGUI環境を備える既存のディストロがないとなれば、LFS/Linux From Scratch(一から作るLinux)でなくともCUIベースのディストロにウィンドウマネージャと日本語環境を組み込み、必要なソフトウェアを絞り込んで入れ込むという可能性も残されています。
ということでQEMUでRAM24MBで動いたNetBSD 6.1.2で日本語環境(scim+anthy)も組み込んでやってみるとOpenboxの起動やメニュー操作、ROXファイルマネージャやxtermの使用感上は、48MBあれば、メニュー操作は若干鈍くともleafpadも48MBあれば動いたりする一方、scim+anthyがソフトウェアによっては利かない可能性もあり、検討の余地があったり、セキュリティ面をシビアに見積もって全ソフトウェアについて開発継続中のものにするというのは無理にしても、これだけでもウィンドウマネージャ含め、まだ軽量化に当たり、選択の余地があり、仮想マシンの使用量を差し引けるとなれば、128MBならスワップなしでも、それ未満ならスワップがあれば、結構いけるかもという感触もあり、Arch LinuxやGentooのようにベースとなるディストロのシステム要件が急に跳ね上がらず、今尚、最小構成として古いPCを考慮してくれるディストロであれば、やってみる価値はあるように思います。
[追記:]
OS入れ替えを模索していたSOTEC e-one(CPU:Celeron 500MHz/RAM:128MB/HDD:13GB)にNetBSD+ウィンドウマネージャ(jwm)+日本語環境(scim-anthy)を入れてみました。
尚、RAM512MB以上における[追記]にあるようにRAM512MBのdynabook、RAM512MBのFMV、メモリの制約とは別の理由でRAM2GBのPavilionにもNetBSDを入れました。
LiveメディアとしてならまだしもHDDにインストールするなら*BSDの優位性の一部だけ見ても実質、Linuxカーネルが限定されたり、結果、対応機能や対応ハードウェアの制約があったりとディストロのオリジナルではないという点でカーネルやユーザーランドに左右されたり、Busyboxという特殊な手法によるSlitazやTiny Core Linux、他方、DebianやArch Linux以上に*BSDライクなGentooよりも*BSDがオススメ、ましてハードウェアスペックにおいてシングルコアCPU、RAM512MB(1GB)未満なら、その分、他にリソースを配分できるという意味も含めてCLI/GUIに関わらず、最新の標準システムが最も少ないRAMで動作するNetBSD・OpenBSD、次いでFreeBSDといった*BSDがオススメと言えるでしょう。