各種のOSの中から選んだOSをPCにインストールする場合、アプリのインストールとは訳が違うし、失敗したらどうしよう。。。と思いがちですが、そういう心配も近年、無用になりました。
なぜなら、今は、やはり、無料で使える仮想化ソフトウェアというものがあるからです。
仮想化ソフトウェアも数年前からマイクロソフト社を含む複数の企業や団体(ネット上のチームプロジェクト)などから無料で提供されるようになったものですが、これは、PCライフの幅が劇的に広がる革命的とも言える優れモノ。
何が革命的って簡単に言うとパソコンの中に擬似的なパソコン(仮想マシン)を複数台持てること。
擬似的とはいえ「パソコン」ですから、そこにOSを入れることも当然できて、そのOS上にソフトウェアをインストールしたり、アンインストールしたりすることもでき、それを使用することも、もちろん、できます。
しかも物理的なパソコン本体からは1つの大きなファイルにしか見えない上、仮想マシン上で何をしても基本的に物理的なパソコンへの影響はないので安心して仮想マシンをいじり倒すことができます。
つまり、仮想マシン上でWindwosやLinux/PC-UNIX/BSD系のOSのインストールやアンインストール、2つ以上のOSをマルチブート構成でインストールしてみることも、あっさりアンインストールして、他を試してみることも何度でも自由に簡単にできてしまうので物理的なパソコンでやってみる前にいくらでも練習ができてしまうわけです。
しかも1つの大きなファイルでしかないわけですから、ExcelやWordで入力・編集するのと同じような感覚で。
これを知った時は、驚愕と歓喜の渦。
なぜって古いパソコンのOSを入れ替える前に複数のOSを試したり、特定のOSをじっくり使ってみたりできますし、仮想化ソフトウェアを入れた物理的なパソコンとその中で動く擬似的なパソコンの間で擬似ネットワークを介した通信もできますし、場合によっては、ドラッグ&ドロップできたり、共有フォルダを作成できたりもするので同じパソコン1台でできることが格段に増える(遊べる幅が広がる)からです。
古くなって2~3台ならまだしも、必要都度どんどんパソコンを買い足しまくって家に大量のパソコンが売るほどある状態というのは非現実的です。
今あるパソコンのOSを入れ替えたら元のOSを使いたい時、また、戻したい時を考えると手間がかかり過ぎます。
1台のパソコンに複数のOSを入れて起動(マルチブート)することもできますが、入れるOSによるものの、その数はたかが知れてますし、ちょっとしたコツがあり、やみくもに次々とインストールすればよいというもでもありません。
LiveCD/LiveDVD/LiveUSBといったCD/DVD/USBメモリなどにOSを入れて取っ換え引っ換えする手もありますが、容量によっては複数のOSを入れることもできるにしても数十枚、数十本も持つのもなんか違いますし、CD/DVDだとガリガリ作業音がうるさいし、ハードディスクよりも速度が遅いですし、何度も書き込めるCD±RWやDVDD±RWならまだしもCD±R/DVD±Rだと1度書き込んだらそれで終わり、これを繰り返してたら枚数が増える一方ですし、CD±RWやDVDD±RWにOSを入れたとしても使用都度、そのCD/DVDに追加データの書き込みはできませんし、保存方法があるにしてもハードディスクを利用するなどトリッキー、LiveUSBならデータの追加書き込みもできなくもないですが、1つに絞り込んだ後ならまだしも、複数のOSを入れて何本もUSBメモリを使うというのは、焼き込みやインストールの手間を考えても非現実的でしょう。
というか、こうしたことさえも仮想化ソフトウェアがあれば、擬似体験できる上、必要なら仮想化ソフトウェア上からでも物理的なLiveCD/DVD/USBも簡単に作れてしまうわけです。
ただ1点、これをやってみる為には、それなりに高スペック(高性能)で相応のハードディスク容量のあるパソコンが1台必要となります。
OSを入れ替えようとしているパソコンが比較的古い場合には、それを使うというのは、往々にしてスペック面で無理があり、ましてサポート期限切れのOSだと基本的にネットにつなげずファイルのダウンロードすらできませんから、これらをクリアするパソコンということになります。
目安としては、デュアルコア以上のマルチコアCPU、32ビットならRAM(メモリ)1GB以上、できれば、2GB~4GB、64ビットならRAM2GB以上、できれば、4GB、8GB、16GB...、最低でも試してみるOS1つに付きOS2つ(ISOディスクイメージとインストールする仮想ディスクイメージ)分入れても尚、数十GB/ギガバイト以上有り余るほどのハードディスクの空き容量がある程度、試してみたいOSの動作要件自体が高スペックな場合は、物理的なPCは、より高性能なCPUやコア数と大容量のRAMが必要です。
[スタート] > [設定(S)] > [コントロールパネル(C)] > [システム]
[スタート] > [コントロールパネル(C)] > [システム]
*[システム]が見当たらない場合、[クラシック表示に切り替える]を選択
[スタート/Windowsロゴ] > [コントロールパネル] > [システム]
...etc.
当然ながら、これに加え、試してみるOSのインストールCD/DVD/USBメモリなどを使う場合は、それを使えるドライブ・機器と仮想化ソフトウェアやISOディスクイメージ(拡張子が.isoのファイル)をインターネット上からダウンロードするにも、それなりの回線速度のADSLや光、ケーブルテレビ回線などを介したネット環境が必要です。
そうしたパソコンや環境を持っている場合には、古いPCのOSを入れ替える前に仮想化ソフトウェアを存分に使い倒してみるとよいでしょう。
お勧めは、まず、VirtualBoxを使ってみて、インストールしたあるバージョンのあるOSの動作が遅いとか、うまくインストールできないといった場合には、仮想化ソフトウェア自体はそれほど大きなサイズではないので必要に応じてVMware PlayerやQEMU、Bochsなどを併せて使うことです。
他にHyper-V、Virtual PCもありますが、Virtual PCやクライアント用のHyper-Vは、基本的にMicrosoft製OSしか試せませんし、サーバ仮想化ソフトウェアであるHyper-Vは、ちょっと仕組みが違うこともあり、さておきます。