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Mageia 5をレビュー

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Mageia 5をレビュー

Mageia 5をレビュー

2016/05/30
NetBSD/dynabook Satellite t30
dynabook Satellite T30 160C/5W
CPU:Intel Celeron M 520 1.60GHz
RAM:512MB => 2GB(1GBx2)
HDD:80GB => SSD:128GB => HDD:80GB(まだ使えた)
OS:Windows XP => NetBSD

 (デスクトップ2台にはそれぞれNetBSD健在ですが、)前述の通り、ふとノートdynabookのNetBSDは他に入れ替えてみるのもありか。。。と検討開始、FreeBSD/OpenBSDをインストール、検証した結果、最終的にMageiaとNetBSDをインストールすることになったお話。

発端

 ここ最近、消費電力を計測、メインをデスクトップPavilionからノートdynabookに、また、Raspbian+SambaでNAS(ファイルサーバ)、これ、もしくはCUPSを使ってプリンタサーバ、UPnP/DLNAサーバなどサーバやメールクライアント・スキャナの共有などを目的にラズパイを購入、運用中

 特にそこでUPnP/DLNAクライアントと滅多に使わないけどプリンタ共有を検証するにあたり、前者は選択肢がないわけではない、後者はどうも対応できないのか、したくないのか微妙な状況にあるNetBSD、と思ったら、OpenBSDも同様だったので*BSDにはCUPSとの間に何か壁があるのか?セキュリティ上の理由か?わかりませんが、ここは気分転換の意味も込めて他に替えてみようかなという心境に。

 というわけで前のページに書いた通り、いろいろ勘案した結果、結局、NetBSDは残し(入れ直し)つつ、Mageiaとマルチブート構成にすることに。

Mageia

 Mageiaは、Mandrake、Mandrivaを由来とするGNU/Linuxディストリビューション。

 1998年、MandrakeSoft社が主体となってRed Hat LinuxベースのLinux Mandrake(初版がなぜか5.1)をリリース、後にブラジルのLinuxディストリビューターConectiva社買収に伴い、両社の社名を掛け合わせたMandrivaに社名変更。

 これ以前に商用権侵害などの理由でLinux Mandrake、Mandrakelinuxと名称が変わったが、社名変更を機にMandriva Linuxとなり、Madriva社は商用に特化、オープンソースのOpenMandrivaとは別に2010年09月ここから派生したのが、Mageiaとのこと。

Mageiaのインストール

 以前、仮想マシンにMageia 4.1をインストールしたことはありますが、あまりの数をこなしたこともあって詳細は記憶になし。

 現行最新は、Mageia 5の模様もあと1ヶ月もすれば、Mageia 6がリリースされるというアナウンスがありますが、ここはすぐにアップグレード(方法や様子)を経験できるということもあり、待たずにMageia 5をインストールすることに。

Mageiaのインストーラ

 そんな中、今回使ったインストーラの.isoディスクイメージは、31MB or 47MB前後と超小容量、ISOブートもでき、起動してみたらたいていの他のディストロと違ってそんな軽量インストーラでも途中からグラフィカルインストーラに移行、言語選択後は、表示も日本語、デスクトップ環境やパッケージ類もインストールしたい放題とありがたいこと尽くし。

 他もそうすればいいのにと常々不思議に思うのですが、CLIのみインストールして最小構成から構築したい*BSDやArch Linux、Gentooなどは別としても、なんで、あれこれ詰め込んでインストーラのディスクイメージを重くする必要があるのか?

 小容量のインストーラだとCLIしかインストールできなかったり、CLIしかインストールできないにも関わらず、インストーラのディスクイメージ数百MBあったり。

 光ブロードバンドが普及しているとはいえ、プロバイダによっては利用者が多すぎるケースにおいて分け合う分、光なのにADSLより低速というケースも散見される中、デスクトップ込みとはいえインストーラのディスクイメージが1GBとか、ヘタしたら3GBとか、なんでそんなに重いのを配布するんだろうか?

 CD/DVDなどのインストールメディア用を流用するのが楽だから?そんなに手間とは思えないし、そもそもそれらメディア用以前にありそうなものだし、となると本家にしろ、ミラーサーバにしろ、トラフィックを増やしたくないから?これもインストール後は、インターネット経由が慣例である今、理由としては考えにくい気がするんですが。

 インストール後だってソースにしろ、バイナリにしろパッケージ管理はインターネット経由なんだから、インストールだって軽量なインストーラを一瞬でダウンロードして選択したパッケージをインターネット経由でインストールするようにすればいいのに。

 必要なパッケージはユーザーによるという話なら尚の事、要らないもののが一杯詰まった重いインストーラは要らないというケースの方が、よっぽど多いと思うけど。

 そういう点でMageiaは秀逸というか極めて普通の妥当な感覚を持っていると思うのですが。。。というか話が逸れた。。。

 ちゃんと確認していたわけではありませんが、MATEとLXDEの2つとして、デフォルト以外に他の選択肢も2つ3つ追加でインストールは約1.5~2時間程度だったかと思います。

Mageiaの起動

 デスクトップ環境MATEとLXDEを入れたら、ログインマネージャxdm、兼ディスプレイマネージャ、ligtdm、lxdmが選択可能となっており、設定でどうにでもなるのでしょうが、デフォルトのlxdmのユーザー及びパスワード入力欄が狭すぎたのでlightdmに変更。

 お初にお目にかかったlightdmでは、メニューバー?ステータスバー?上でウィンドウマネージャ・デスクトップ環境を選択できるようになっていました。

Mageiaのデフォルトのログインシェル

 ログインシェルは、デフォルトで/bin/sh、/bin/bash、/usr/bin/dashから選択可。

Mageiaとman

 Mageia 5では、manページ、もしくは、less/moreあたりの国際化(日本語)対応ができていないようでman(man-pages-ja)がインストールされているとmanページがカラになってしまいます。

 英語にはなりますが、今回は、man-pages-jaをアンインストールすることで対処しました。

Mageiaのパッケージ形式とパッケージ管理

 利用するパッケージ形式はRed Hat系のRPM(.rpm/.srpm)でパッケージマネージャは、CLIがurpmi、GUIが、rpmdrake。

 但し、rpmコマンドやapt-get(/apt-mga)コマンドなどもあります。

Mageiaのデスクトップ環境対応状況

 デスクトップ環境は、Cinnamon、MATE、GNOME、KDE、Xfce、LXDE、LXQT、もちろん、これ以外に各種ウィンドウマネージャも揃っています。

Mageiaの国際化対応

 日本語(国際化)対応もなされており、インストーラで選んだキーボード、言語が適用され、インストール直後、起動する際には、日本語表示はなされており、日本語入力環境もIBus+Anthy/Mozc/Japaneseと整っています(が、その中で明示的にMozcを選択しないと日本語入力はできなかった)。

 Anthyで入力できないってことないでしょとパッケージを確認すると日本語辞書kasumiがインストールされおらず、これをインストールしてみましたが、こでだけでは不足のようで、まだ、Anthyでは日本語入力できませんでした。

 尚、インプットメソッドの選択は、IBusの他、SCIMがありますが、他はありませんし、そのSCIMもAnthyとの組み合わせもなく、現状は実質、日本語入力する場合、ibus一択のようです。

 ドキュメント類も日本語対応中のようで結構、日本語化されている or 対応中と見受けられるものあります。

 尚、由来するMandriva Linuxがフランス発祥であることもあり、英語のドキュメントも多いものの、これも対応中のようです。

Mageiaの各種ソフトウェア

 電源管理はデフォルトで有効になっており、スリープからの復帰時にパスワード入力でそのまま復帰する場合と入力後、ディスプレイマネージャが表示され、そこでもパスワードを入力しないと復帰しなかったり、そもそも入力しないで時間を置くとディスプレイマネージャに切り替わってパスワード入力、また、ディスプレイマネージャが起動して再度入力。。。というおちゃめな一面があります。

 お茶目といえば、Mageia自体の起動時にスプラッシュ画面と黒画面上の固定の(流れない)起動メッセージが交互に切り替わってディスプレイマネージャが表示されたりもします。

 意外とかっこいいのが、待ち状態の時のマウスポインタ付近でクルクル回るアイコン?、いちいち心にくいのは、電源管理の確認画面上には、バッテリの充電状態、放電時間や充電予想時間など詳細に表示されること、また、有線・無線LAN画面もグラフ付きで詳細な情報が、無線に関しては、通信状態がパーセンテージでタイムリーに表示されたりと1つの画面に簡潔に集約されている点。

 また、プリンタを接続しているわけでもないのにグラフィカルなCUPS管理画面やHPデバイスマネージャなどがデフォルトでインストールされており、Samba共有プリンタも選択できるなど、いろいろな方法でプリンタを追加できるようになっている点もなかなか。

 尚、特にLinuxのディストロでは、プリンタを自動認識してあらゆるアプリで即印刷できる状態になっていることも珍しくありませんが、Mageiaでは、[system-config-printer]などこれら豊富な方法のいずれかでプリンタを追加すると各種アプリのプリンタ設定・印刷ダイアログにも当該プリンタが表示されるようになっています。

 UPnP/DLNAクライアントについてですが、Totem、VLCを試したところ、共にデフォルトではUPnP/DLNAサーバを認識しない模様、VLCは2.xのどこからかで本体とコーデック類を分けたのか、2.2.2とバージョンは新しいのに[ユニバーサルプラグアンドプレイ]メニューがないと思ったら、別途、[vlc-plugin-upnp]パッケージと自動解決されるその依存関係にあるパッケージをインストールしたら表示されました、が、MageiaのファイアウォールShorewallを停止してみても、まだ、検出されないので、他にもなにか必要な模様。

Mageiaと無線LAN

 NetBSD 7.0、Fedora 22/23、Debian 8 Jessieと利用できることが確認できたBuffalo WLI-UC-GNM2というUSB無線LANアダプタ(子機・ドングル)、Mageiaでも利用できました、が、買って半年のGNM2が不調となり、買い替えが必要そう。(。。と思ったら、気のせいで正常に機能することが判明、使用中。)

 ありがたいことにUSBポートに子機を挿してもいないのにこれにマッチするfirmware-ralinkドライバがインストール済みでした。

 そこでwpa_supplcantをインストール、wpa_supplicant.confは他のディストロで使ったものをそのまま利用、/etc以下にコピー。

 コマンドラインからwpa_supplicant -B -i Network_interface -c /etc/wpa_supplicant.conf(付け忘れた-Dは自動で付けてくれたようでどこかの表示にwextとあった気がする)としてsystemctl restart network.serviceとし、IPを割り当てるためにdhclient Network_interfaceとしたらつながり、これだけでマシン再起動後も接続されました。

 試したディストロの中でもドライバがインストール済み・対応ネットワークインタフェースが既にあるという点でNetBSDと並んでMageiaは最も簡単、続いてDebian、ちょっと面倒だったのは、Fedoraでした。

Mageiaはドライバなどは自動インストール?

 ザッとマニュアルなどに目を通すとMageiaではUSB機器をUSBポートに挿し、リポジトリにはあるが、対応するドライバがインストール済みでない場合、自動でインストールされるようなことが書いてあるので、先のサーバ上のプリンタ、また、無線LANドングルも挿したから認識されてそれぞれ関連パッケージがインストールされたのかもしれません。

MageiaとNetBSDをマルチブート

 ということでMageiaの他、NetBSDも入れたdynabook、HDDがダメかとSSDに換装したものの、まだ健在だったので元に戻すなど今尚、元気に活躍中。

Mageiaとマルチメディア

 オープンソース・フリーソフトウェア界隈では、動画・音楽は、何かと権利関係が絡むこともあって、これに対処する結果、至って合法であるケースでもユーザーが不便に感じるケースがあったりしますが、Mageiaもご多分に漏れず、ただ、nonfreeやtaintedリポジトリを追加しても、そもそもマルチメディア系は、特にUPnP/DLNA対応は、今ひとつ、唯一とも言える模様のVLCでもそうですが、音楽ファイルは大丈夫な一方、mp4aがネックとなるようで動画の音声が出力されないなどDLNAクライアントとして一通り機能させることができませんでした。

 非常に惜しい。。。インストーラは超軽量で一瞬、楽々ダウンロード、最初はシェルベース、すぐにグラフィカルインストーラに切り替わり、デスクトップ環境含め、インストールするグループや個別パッケージも柔軟に選択でき、プリンタもスキャナもデジカメも簡単接続、気の利いたネットワーク情報画面や電源管理画面、ログイン・ディスプレイマネージャ簡単切り替え等々、良いこと尽くし。。。マルチメディア系も他と使っているパッケージは同じなだけに対応できないわけじゃないはずなので、そこさえなんとかなれば。。。

 NetBSDでも選択肢がある中、更にこれを補うというのも目的としてあり、DLNAもその1つであり、これが快適でないとなると今回は、インストールした意味がないのでNetBSDをクリーンインストール、もしくは、MageiaをDebianなど他に入れ替えることになるでしょう。

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