PCや周辺機器は、普通、メーカーの当該製品ページで「最大出力」などとして消費電力の目安が表示されていることがあります。
あまり、気にしない、気にしたことがないというケースも多いかとは思いますが、実際のところ、どのくらい電力を消費しているものなのか?気になったので手持ちのPCや周辺機器について大雑把に計測してみることにしました。
まぁ、そもそも省電力設計のノートパソコン(2000年代製造)が最も低消費電力、次いで2000年代製造の本体+液晶のデスクトップ、最も古い1999年製ブラウン管一体型が最も消費電力が高いであろうことは容易に予想がつくわけですけど、数値で見てみようということです。
なんで気になったかというと複数のマシンでデータ共有やバックアップするに当たって以前からファイルサーバがあったら便利なんだよなと思っていて、そうだとしたら、あんまり使うことはないものの、ついでにプリンタやスキャナを共有してみるのもいいかなとか、液晶テレビ含め、LAN上で画像や動画を共有するDNLAサーバもあってもいいか、プロバイダ及び複数のドメイン用のメール送受信にメーラーも共有したかったし、ついては、稼働時間が長い可能性を考えると尚更、地球環境への影響や電気代を考えても消費電力が低いに越したことはなく、手持ちの機器があまりに消費量が高いなら、SSHを使えば、サーバにモニタも不要なわけだし、Raspberry Piのような本体自体も安価な最小構成のシングルボードコンピュータを使うのがいいよねなんて考えたからです。
今回計測に使ったのは、コンセントと機器との間に介してつなぐだけの節電エコチェッカーなる5W以上の消費電力を1W単位で表示してくれるもの。(電気料金目安、CO2排出量目安表示や積算機能もあり。)
複数口を持つ電源タップに節電エコチェッカーを挿して5W以上消費する機器と一緒に使えば、1W単位ながら、その差で5W未満のおよその計測もできなくもないですけどね。
かなり大雑把なやり方ではありますが、早速、デスクトップPC2台とノートPC1台、これに加え、外付けHDD2台を計測してみることにしました。
デスクトップPCの内、1台は、本体と液晶ディスプレイから成るもの、もう1台は古い15インチCRT(ブラウン管)一体型PC、外付けHDDは、古い小容量(160GB)のものと比較的新しい大容量(2TB)のものです。
PC | |
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SOTEC e-one 500(CRTモニタ一体型) シングルコアCPU500MHz/RAM128MB 100-240V/4.9-2.4A 消費電力最大260W 1999年製 | |
ブート時 : 115W | |
アイドル : 80W | |
高負荷時 : 90W | |
HP Pavilion Slimline s3140jp(本体) デュアルコアCPU1.8GHz/RAM2GB 110V /240V 消費電力最大180W 2006 or 2007年製 + HP w1907(液晶ディスプレイ) 100V〜240V 消費電力(動作時 /非動作時) 49W / 2W 2006 or 2007年製 | |
ブート時 : 78W | |
アイドル : 58〜60W | |
高負荷時 : 75W | |
TOSHIBA dynabook Satellite T30 160W/5C(ノート) シングルコアCPU1.6GHz/RAM2GB DC19V 3.42A 消費電力最大65W/通常25W 2006 or 2007年製 | |
ブート時 : 30W | |
アイドル : 27W | |
高負荷時 : 35W |
USB外付けHDD | |
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2TB Western Digital Desktop Elements Intelipower(5,400rpm〜7,200rpm) DC 12V 製造年不明・購入時期2013年頃 | アイドル : 5W |
160GB IO-DATA HDC-U160 7,200rpm DC 5V:1.5A/DC 12V:1.0A 2007/1/31生産終了 2005/9/1価格改定(となると、もっと古い?) | アイドル : 10W |
古いものは、省電力設計ではないからでしょうPCも外付けHDDも消費電力は多め、尤もe-oneは更にブラウン管も結構、電力を消費しているものと思われ、これもブラウン管に起因するものと思われますが、e-oneのみ待機電力に7W程要します。
ひっくるめちゃいましたが、Pavilionの液晶ディスプレイは、ざっと見たところ、通常使用時は、20W程度のようです。
当初の予想通り、手持ちのPCで最も消費電力が少なかったのは、唯一のノートパソコンdynabookですが、数値にしてみると、これまでメインで使っていたPavilion + w1907は、dynabookの倍以上。。。これを知ってしまうと今後のメインは、dynabookですね。。。
仮にdynabookをサーバにする場合、アイドル時間をとったとして27W/h(0.027kWh)、1kW当たりの電気代を22円/kWhとして24時間稼働だと1ヶ月30日換算で0.027x22x24x30=427.68円、切り上げて約428円/月、5,136円/年という、そこそこの数字が得られます。
手持ちの外付けHDD/WD Desktop Elementsを併用するとすれば、測定結果が5Wで先の計算にあてはめると、仮に22円/kWhとして24時間稼働させても30日換算で0.005x22x24x30=79.2、切り上げると80円/月、960円/年。
合計約508円/月、6,096円/年。
が、そもそもファイルサーバであるならば、SSH接続すればよいこともあり、モニタは不要なわけで、液晶ディスプレイの電力消費量も相応にあって無駄でもあると考えただけでもそうですが、更にノートPCはファンがあっても熱を持ちやすく、別途何らかの強力クーラーを用意するという方法はあるにせよ、消費電力を考慮すると微妙、何より365日24時間に近づけば近づくほど、仮に誰もいない時でも稼働するなんてこともあるとしたら尚更ですが、埃は引火の原因にも成りうる為、大敵にも関わらず、ノートパソコンは特に内部の掃除がしづらいこともあって、これだけの消費電力で常時稼働させておくとなると火災など危険な状況を引き起こさないとも限らず、これまた実際に火を吹くまでわからないといった恐ろしく大きな不安が残りますから、存在するならモニタが不要でより消費電力の低い他の選択肢を探すのが賢明と言えるでしょう。
ということで答えありきの出来レースと言う気もしますが、やはり、シングルボードコンピュータ、中でもRaspberry Piは有力候補であり、こうして実際、計測してみると尚のこと、最小構成であることからも、これらより遥かに低消費電力、包み隠さず丸見えなので掃除も行き届くはずのRaspberry PiにSamba、ここではWD Elementsのような大容量かつ低消費電力で実際稼働させてもうまく排熱され熱を感じさせないUSB外付けHDD...といった構成の方が、連続稼働するファイルサーバには現実的だろう。。。と見込めるなら調べてみる価値は十分あるでしょう。
ということで開発した英国ラズベリーパイ財団によるRaspberry Piの公式ホームページhttps://www.raspberrypi.org/を確認、(何か勘違いしていたり、誤訳していたりしていなければ、)Power Supplyを見ると信頼に足る代理店の話としてRaspberry Pi 1ベース(A/A+/B)では、どのモデルでも1.2Aあれば十分、利用する周辺機器にもよるが、Model Bは700-1000mA程度だろうとあり、また、Powerでは、先の情報を交え、Raspberry Pi 1 model B+ とRpi 2のモデルBは、USB用に1.2Aの内、600mA割くことができるとある他、RPi 1 Model A/A++/B/B++、Rpi 2 Model Bの仕様上の電流値、全てのUSBポートを使用した場合の電流値、RPi基盤本体に必要と思われる電流値の比較表が、更に2016/02/26付のテスト・検証値としてZeroやRPi 3を含め、起動時、アイドル時、ビデオ再生時、高負荷時の最大値や平均値の比較表が掲載されています。
ここでの話に絞って大まかに抜粋すると3Gモデムや外付けHDDをUSBポートにつなぐなら十分な容量のセルフパワーUSBハブを使った方が賢明かもしれないが、たいていの周辺機器は、そこまでしなくても十分に使えそうとのこと。
例えば、Raspberry Pi 2 モデルBについては、余裕を見てビデオ再生時の値を使ったとしても0.36A、0.36Ax5V=1.8W(0.0018kWh)、仮に22円/kWhとして24時間稼働させても30日換算で0.0018x22x24x30=28.512、切り上げても約29円/月、348円/年。
手持ちの外付けHDD/WD Desktop Elementsが約80円/月、960円/年なので
合計約109円/月、1,308円/年。
というわけで手持ちの中で最も消費電力の低かったノートPCの約1/5で済みます。
しかも、実際には、24時間も稼働させるわけではなく、何れかのマシンが起動している時だけでよいわけで12時間/日稼働でも54円弱/月、6時間/日だと27円弱/月。。。
細かく言えば、Raspberry Pi本体他、全てのコストを日割計算、電気料金も基本料金の内、一定割合を、常時じゃないだけにRPiブート時のロス・・・などもあるにはありますが、。。これなら何を心配することなく使えそう。
ということでRaspberry Pi導入を検討してみることに。