仮想化ソフトウェアの1つVirtualBoxで作成した仮想マシンのゲストOSには、様々なOSをインストールできますが、このページでは、BSD/UNIXディストリビューション(ディストロ)の中から任意に抽出し、当サイトにおいてVirtualBox上で検証したBSD/UNIX系OSの内、OpenBSDのインストール及び起動について記します。
今回は、OpenBSD 5.4(install54.iso)を使用させて頂きました。
OpenBSDは、386BSDからマルチプラットフォーム且つ製品レベルの品質を持ったBSDベースのOSを作り出すことを目的としてフォークしたNetBSDからセキュリティ強化のために派生したものです。
同じく386BSD、特許絡みで4.3BSD Net/2、最終的に4.4BSD-LiteをベースとしたものにFreeBSDが、FreeBSD 5の開発に当たり、マルチコア対応の技術的相違からFreeBSD 4をベースとして派生したものにDragonFly BSDがあります。
OpenBSDについては、VirtualBoxでは、未確認ですが、VirtualBox、QEMUで試したところ何れもメモリ24MB以上で起動しました。
但し、VirtualBoxにおいは、「Intel VTx/AMD-Vなどの仮想化支援が要るんだけどなー」といった旨のVirtualBoxによるポップアップエラーというか警告画面が表示され、そこでめげずに[続ける]ボタンをクリックしてみた人だけが、何事もなかったかのような起動を確認できたりします。
OpenBSDもNetBSD【VirtualBox】と同様にVBoxSDLを使えば、何事もなく起動しました。
ちなみにNetBSDもQEMUで24MB以上、FreeBSDは、QEMUでは32MB以上、VirtualBoxでは、48MB以上で起動しました。
この関係だけから察するにOpenBSDとNetBSDは、おそらく32MB以上あれば、VirtualBoxでも起動するものと思われます(が、NetBSDについては、QEMUとVMware Player 3.1.6にはインストールできた一方、VirtualBoxは対応済みのはずですが、うまくインストールできませんでした)。
VBoxSDLを使えば、VirtualBoxでNetBSDの起動とインストールもできしました。
尚、各種アプリケーションが必要とするメモリ量は考慮していません。
また、特に指定がない限り、ここで示すRAM値は、各仮想化ソフトウェアでの仮想マシン作成時に指定した値であり、少なくとも一定以上のRAM値を指定した場合においては、そこから仮想化ソフトウェアが消費するメモリを差し引いた値が、ゲストOSで利用可能なRAM総容量として割り当てられているようです。
OpenBSDに関しては、QEMUでは、スムースにインストールできましたが、対応しているはずのVirtualBoxでは、どうにかインストールできたという状況です。
OpenBSDは、FreeBSDやNetBSDと違ってshellベースで対話的にインストールを進めていくことになりますが、rootパスワード、ボリューム名、日本語キーボードを使いたい場合に[jp]と入力する以外は、デフォルトでOKなことが多いと思われ、その場合は、[Enter]を押していけばインストールが進みます。
ただ、本来のエラー内容ではないと思われるハードウェア支援機能がないことによるエラーを示す小さなポップアップ画面が、VirtualBoxによって表示され、続行はできますが、途中で止まったり、VirtualBox自体が落ちたり、[ (I)nstall ]...を選ぶところが何度もリピートしたり、たまにkeyboard設定まで行けたかと思うとまた[ (I)nstall ]...の繰り返し。。。といった不安定さがあり、[ (S)hell ]でディレクトリ内にあったInstallを実行してみたりと、いろいろありましたが、何度かやり直す内、なんとかインストール完了にこぎつけました。
インストールできたのはできましたが、QEMUでは、何の問題もなくインストールできるOpenBSDについて何をどうしたらVirtualBoxで作成した仮想マシンにスムースにインストールできるのかは、今尚、定かではありません。
インストーラの起動までしか試していませんが、これも前述の通り、VBoxSDLを使うとVirtualBoxでもスムースにOpenBSDをインストールできるでしょう。
OpenBSDのパッケージの管理もNetBSD同様、pkg_add/pkg_info/pkg_deleteといった[pkg]と[アンダースコア]に続く[pkg_]といったコマンドで行い、パッケージの取得元とするHTTPやFTPサイトは、環境変数[PKG_PATH]に設定します。
また、同じくNetBSDも採用しているpkgsrc、FreeBSDのPorts Collectionを利用することもでき、共に各ソフトウェアごとのダウンロードすべきソースやパッチ情報のリスト、makefileなどを置いてあるディレクトリで[make install]することができます。
OpenBSDのデフォルトのログインシェル(shell)は、ksh、起動時に読み込む初期ファイルは、ホームディレクトリの[ .profile ]なので起動時に環境変数を有効にしたい場合は、ここで設定し、その変数を[ export PKG_PATH=(HTTP/FTPサイトURI) ]などとしておきます。