Windowsにはリリース以降バージョンアップを重ね、次のようなバージョンがあります。
XENIXは普及することのなかったMicrosoft版UNIX、IBM PC用にIBM社と共同開発したPC-DOSの完成・出荷後、汎用OSとしてMicrosoft社がMS-DOSを発表するに至ります。
更にMS-DOS上の拡張シェルとしてWindows 3.x系、MS-DOSとWindows 3.1を融合したWindows 95、Windows 95をベースとした98/98SE/ME、新たに開発されたWindows NT、NT 5.xとして開発されたWindows 2000、XP、NT 6.0として開発されたVista、NT 6.1としてのWindows 7、また、NTは業務・サーバ用の2003/2008のベースともなっています。
この内、Windows NT3.1/NT3.5/NT3.51/NT4.0のNT系と西暦4ケタがネーミングの一部になっているWindows 2000/2003/2008などは主に業務用やサーバ用途のWindowsですが、2000についてはWindows 9x系ユーザーも意識した作りになっており、それ以外は、スタンドアローン、デスクトップ端末やクライアント用のOSです。
尚、Windows RTは、タブレット端末用に開発されたOSでCPUがARMベースでプリインストール済みのOEM版でMicrosoft社のタブレット端末Surface用の、いわゆるWindows RT/Surface RTのみがリリースされています。
従来、WindowsやPC-UNIX/Linuxなどは、PC端末においてIntelやAMDのCPUを対象として開発されてきましたが、これらCPUは、タブレット端末用として流用するにも処理速度やバッテリー駆動時間などにおいて不向きであり、iPad向けiOS、タブレット端末向けAndroid他、組み込み機器や低電力アプリケーション向けで広く採用されているARMベース初のWindowsが、Windows RT/Surface RTです。
また、Windows 2000を含む以降は、例えば、各バージョンに別途「Home Edition」、「Professional」など各種サブバージョンを伴った用途別のライセンスや機能の異なる版を持つ場合やSP1/SP2/SP3といった稼働後にWindows Updateなどで適用したサービスパックの別を表すこともあり、CPU64ビット版への対応から搭載するマシンのCPU(時にMPU・GPUなど)に応じて32ビット版/64ビット版の別があります。
Windowsは、それまでの文字ベース(CUI/Character-based User Interface)であるMS-DOSと異なり、AppleのMacintoshやUNIX OSのX Window System同様、視覚的に操作しやすいGUI/Graphical User Interfaceという機能性も一般の人々に受け入れられる要素の1つとなったと言えるでしょう。
この内、Macintoshは1984年1月、UNIXのX Window Systemは同じ1984年5月、異なるベースと全く別の目的、変遷で誕生、MacintoshがApple端末専用であるのに対し、X Window Systemは、UNIX以外のOSにさえ移植可能なハードウェアやベンダ各社に依存しない世界初のGUI基盤として誕生、Windowsは翌1985年11月、MS-DOS上で起動するGUIとして生まれ、GUIとしては後発だったようです。
一方、日本国内のPC端末は、いわゆるPC-9800シリーズで知られる独自規格のNEC製が急速に普及しましたが、MacintoshやX Window Systemが誕生した1984年IBMが発売したPCである"PC/AT"が、当初日本語変換で苦戦したものの、日本国内で市場を伸ばし、更に規格争いの末、国内他コンピュータメーカーが軒並み"PC/AT"互換機に追従したことから互換性のないNECのシェアが縮小、後に追従せざるを得なくなり、Macintoshは常に手堅く一定のシェアをキープしているものの、それほどでもなく、IBMはその後ThinkPadを発売(後にIBMが中国LenovoにThinkPad事業を売却)するわけですが、NEC製PCも"PC/AT"互換機もMS-DOSからWindowsがプリインストールされたことから必然的にWindowsが急速に普及、圧倒的なシェアを持つまでになりました。
ただ、企業・団体など組織体においては、オフコンやワークステーションと呼ばれる形態でUNIXが既に先行して利用されていた当時は個人利用はあっても極めて限定的であったことや特に大規模なクライアントサーバーシステムではWindowsよりも安定性に定評のあったUNIXがサーバーOSとして普及、1991年UNIX互換のLinuxカーネルの発表以後、商用以外にもオープンソースが広がりを見せ、Linuxを選択肢とするケースも現れ、Linuxカーネル+GNUツール+αとして各種ディストリビューションの栄枯盛衰の中で古くも新しい技術として仮想マシン、仮想OSの登場、Mac OS X上でWindowsをゲストOSとすることが可能な仮想マシンの登場、MSによる買収劇によるVirtual PC誕生とMac OS Xへの対応取りやめ、VMware、XEN、KVM、VirtualBoxの登場、1FD/1CD LinuxによるOSのFDD/CDブート、USBメモリスティックによるOSブート、X Window Systemによるデスクトップ環境に力を入れるオープンソースのLinuxディストリビューションの1つUbuntuや軽量軽快なPuppy Linuxなどの登場、そもそも充実したLinuxアプリケーションに加えWindows上でもはや必須とも言えるようなアプリケーションのLinuxへの移植や経済環境の変化なども手伝ってか、役所や学校といった公共施設や個人ユーザーの間でもLinuxに長けていないユーザーでさえLinuxを普段使いのOSとして取り入れる動きも出てきているようです。