UNIX/Linux及びshellにはman/info/helpコマンドなど実用的な詳細マニュアルや簡易ヘルプがいくつかあります。
ちなみに一口にマニュアルと言っても環境によってそのフォーマットも様々でテキストベースであればman(manual)、info(information)、htmlなど指定したフォーマットで出力できるlinuxdoc、数学記号や科学技術記号、図解等も入れる必要がある場合にはLaTeXなどがあります。
ただ現実には『helpコマンド』はshやbashのシェル組み込みコマンド用のbash組み込みコマンド、『infoコマンド』はGNU infoとも言われますが、FSFのGNUコマンド用ヘルプ、『manコマンド』はUNIXコマンドヘルプ、更にGNUツールが標準のLinux含めてman/info両方あるコマンド、それに加えて各コマンドごとのコマンドhelpのようになっています。
$ man コマンド名
$ info コマンド名
$ man 2 コマンド名
man、infoにコマンド名などを引数として渡すと(manやinfoがあって該当するものが存在すれば、)かなり詳細な説明が表示されます。
またmanファイルが全てあるなど充実している場合、コマンドによってman1,man2,man3,man3M,...が存在する場合があり、その場合にはmanと数字にスペースを入れて参照したりします(既定は1なので1は省略可)。
ちなみにBSD系、旧SystemV、Linuxの多くでは、manファイルは大きく8つの構成(後のSystemV系では更に3F/3M/3N/3Sなど細分化されているケースや、man9としてカーネル内部の関数について記述がある場合もある)から成っています。
man1 コマンドとコマンドオプション
man2 システム関数(UNIX/Linuxカーネル)
man3 ライブラリ関数(C標準ライブラリ含む)
man4 UNIX I/O中心の特殊ファイル(/devにあるデバイスファイル)
man5 UNIX設定ファイルなどの種類と書式
man6 ゲームプログラム関連
man7 その他参考資料
man8 システム管理用の特殊コマンド
$ man -k キーワード
$ apropos キーワード
任意のキーワードを含むmanページを一覧できるmanコマンドの-kオプション、同様にmanページを横断検索できるaproposコマンドも便利です。
尚、manでページが一画面に収まりきらない場合、画面最下段にコロンが表示された(コマンド入力)状態になり、ページを送るにはシェルの操作をemacs/viいずれにしたかによって特有の上下キー、またはキーボードの矢印キーの上下キー、または(進むだけなら)Enterキーで移動し、終了するには[ q ]キーを押します。
infoでは指定したコマンド等の説明があればその表示と画面最下段2行の1行にはinfoコマンドによって調べているコマンド名といった簡易表示がなされ、2行め(最下段)には、最初はinfoのメニューメッセージ、以後は必要に応じて操作に対するメッセージが表示され、ページが一画面に収まりきらない場合は、キーボードの矢印キーの上下キーで移動し、終了するには[ q ]キーを押します。
また、bashには、コマンドごとのヘルプではなく、「シェル組み込みコマンド」用のhelpコマンドというコマンドもあり、
$ help "a*"
$ help ls
のように正規表現を利用して存在すれば「(例では)aで始まるシェル組み込みコマンド一覧」を表示させることができます。
helpはページが画面に収まらない情報量だった場合、最後まで表示されてプロンプトに戻りますので必要であればパイプとmore/lessで、進むにはEnterキー、終了するには[ q ]キーを押します。
尚、各コマンドは、コマンドごとにヘルプを参照することができ、たいていは
$ コマンド名 -h
$ コマンド名 --h
$ コマンド名 -help
$ コマンド名 --help
など1つまたは2つの[-]ハイフンに続けて[h]または[help]と入力して[Enter]キーを押すことで調べる事ができます。
更に必ず引数を伴うコマンドなど一部のコマンドでは、コマンドラインから引数なしで入力して[Enter]キーを押すと
$ コマンド名
(エラーメッセージと一緒に、またはエラーメッセージの代わりに)オプションの使い方などが例示されるケースもあります。
このケースやコマンドhelpの内容は、主にコマンドラインオプションとその使い方のクイックリファレンスです。
入力補完機能とは途中まで書いてTABキーを押すと続きの候補を示してくれる機能で、その操作方法等は異なったとしてもemacs、vi/vim含めUNIX/Linux標準エディタでも往々にして存在する機能です。
また、キーボードの上下キー(vi/emacsのモードにより固有の上下キー)でコマンドラインに入力した履歴を辿る(上キー)ことができるので便利です。