Fedora 20で切り替えて利用できる各種統合デスクトップ環境KDE/GNOME/Cinnamon/Mate/Xfce/LXDEやウィンドウマネージャの1つOpenboxについて。
GNOMEとKDEは、ルック&フィール、機能性重視で逆に言えば、CPUやメモリの消費量が高い統合デスクトップ環境です。
Cinnamonは、GNOME3をベースにLinux Mintプロジェクトで開発された標準の統合デスクトップ環境です。
MATEは、GNOME3がUnityばりの仕様となったことでGNOME2から派生した透過機能などを実装しないシンプルかつ軽量なつくりとなっている一方、3DウィンドウマネージャCompizを使うこともでき、Linux Mintの主要開発者がその開発においても主要なポジションにいることもあり、Mintとの関係も深いと言われている統合デスクトップ環境です。
Xfceは透過機能を持ちつつ、LXDEは透過機能などを省きつつ、古いマシンなど低スペックな環境でも軽快に動作することを目指している統合デスクトップ環境です。
LXDEは透過機能などを省き、Xfce以上に更なる軽量化を図ったデスクトップ環境でオリジナルパッケージソフトウェアも最小限に抑えているようです。
LXQtは、GTK+からQTにシフトしたLXDEの後継とされるデスクトップ環境でFedoraでは21上でテストが行われ、22から正式にリポジトリに登録された模様、23でインストールしてみました。
ただし、LXQt移行後もしばらく保守されるとされたLXDEも現開発者はLXQtとは別に継続開発しそうな雰囲気がある模様。
Cinnamonのタスクバーにあるボリュームコントロール(音量調節機能)が、音量調整だけでなく、出力デバイスの選択やAmarokやVLCほか再生中のオーディオプレーヤーを起動したり、再生、停止等々の操作をもできてしまうのには、ちょっとびっくりしました。
確かにメニューから起動するよりも手っ取り早く、オーディオプレーヤーを常用していて複数のプレーヤーを使っている場合なら尚のことデスクトップアイコンを置く必要もないので結構、便利で重宝するでしょう。
尚、全く同じ環境下におくのも、全く同一条件で比較というのも難しいわけですが、ログアウト・ログインを繰り返しながらログイン後、それなりの時間をおいてシステム情報を表示してくれるConkyで確認したところ各統合デスクトップ環境やウィンドウマネージャにおけるCPU、RAM、SWAP使用割合は以下の様になりました。
Ver | CPU | RAM | SWAP | |
KDE | 4.13 | 15% | 25% | 0% |
GNOME | 3.10 | 1% | 16% | 0% |
Cinnamon | 2.2 | 1% | 16% | 0% |
Xfce | 4.10 | 1% | 13% | 0% |
MATE | 1.6 | 1% | 11% | 0% |
LXDE | 0.4 | 1% | 10% | 0% |
Openbox | 3.5 | 1% | 10% | 0% |
なんとなく予想通りであるような、意外だったような。。。
KDEはGNOMEより軽量と思っていましたが、KDEが突出している点、GNOME 3をベースとしたCinnamonがGNOME 3と変わらない点、GNOME 2ベースのMATEが、やもするとxfceより軽量な点、OpenboxをベースとしているLXDEがOpenboxと変わらない点は少々驚きました。
尚、KDEとXFceは、特にCPU消費量が安定するまでに時間がかかるというか、常に変動しているというか、その中である程度の時間維持していた値を抽出。
LXQtインストール(Feodra 23)時には、他の各種デスクトップを導入した当初(Feodra 20)とは、Linuxカーネルバージョンやデーモンやcron稼働状況なども異なり、先に列挙した他の各種デスクトップの検証値とは前提が異なる為、載せていませんが、後日、LuminaをインストールするにあたってLXQt含め、改めて(Conkyを目測、任意の落ち着いた辺りの値をとるという方法で)計測してみたところ、全てで消費量が増えている中、LXDEに次いで消費量が少ないという結果となりました。
使い勝手としては、LXDEのに同じQtを採用するKDEの雰囲気が取り込まれたような印象です。
ちなみにGNOMEのベースとなっていたウィンドウマネージャ(WM/Window Manager)は、JWM/Joe's Window Manager、GNOME 2のWMは、Metacity、GNOME 3のWMは、Mutter、KDEのベースWMは、オリジナルのKWin、Xfceは、xfwmのようです。
WMには、統合デスクトップ環境が独自に備える機能が存在しないのは当然としても基本的な部分は、単独でデスクトップ機能を提供することもでき、JWMは、Puppyなどでも標準採用されており、前述のOpenboxの他、FluxboxやEnlightenment(D16やD17)など多くのWMも単体でも相応のデスクトップ環境(ユーザーインタフェース)を単独で提供してくれます。
但し、その背景から想像がつくように統合デスクトップ環境と違い、ウィンドウマネージャ単体をデスクトップとして利用しようとする場合には、いろんなことを自動でやってくれるわけではない為、自力で対処する必要があります。
(というか、後にWMをベースとしたより便利な統合デスクトップ環境が登場しました。)
例えば、CD/DVDドライブやプリンタ、デジカメ、スキャナ等々といった周辺機器をオートマウントして即利用可能な状態にしてくれるわけではありません。
また、メニューバー・タスクバー・通知領域などの配置は構成ファイルを編集するか、それ用のアプリをインストール、メインメニュー、ショートカットメニューなどのメニューの編集や配置なども(近年、XMLベースの)構成ファイルを編集する必要があったりします。
更にデスクトップアイコンもJWMならTray機能でランチャを配置するようなこともできますが、ideskなどそれ用のアプリをインストールしたり、Nautilusのようなデスクトップ環境も提供するようなファイルマネージャ(というか、現状仕様のデスクトップ環境はファイルマネージャの延長線上にあると言える)を使うなどといった選択肢の中から選んで利用するなど、何をするにしても自力で調べて対策を講じる必要があります。
ただ、自力とは言ってみても、基本的に既にある選択肢の中から利用させて頂く手段を選ぶだけですが。
統合デスクトップ環境もウィンドウマネージャも、もちろん、Linuxに限らず、*BSDでもサポートされており、実際にSOTEC e-one、TOSHIBA dynabook Satellite T30 160C/5W、FUJITSU FMV C6320などでは軽量さを意識してNetBSD上でJWMやXfceなどを使っていますが、中にはWindowsにも対応しているなんていうものもあったりします。
KDE Plasmaは、デスクトップ上に直接アイコンを配置することはできませんが、[パネル]や[ウィジェット]を貼ることができ、[パネル]には、アイコンやショートカットアイコンを置くことができ、ウィジェットは、あらかじめ用意された各種情報を表示してくれる領域であり、そもそも数多いですが、追加することもできるようです。
KDEでもサクサク使えており、操作性も不満はありませんし、MATEでCompizというのもありかもしれませんが、常用するのは、たぶん、操作性が結構気に入ったCinnamonか、比較的軽量なMate、LXDEかなと思っています。
ちなみにアプリケーションの起動時などにマウスポインタ横で小さなアイコンがピョンピョンはねるのは、SLAX固有なのかと思ってたら、KDEの遊び心仕様だったんですね。