Windows Vista SP2のサポート期限が切れるまで3年を残したPC、Pavilion Slimline s3140jpの内蔵HDDが寿命を迎え、Vistaの復旧をするか否かはさておき、HDDを換装することにしたのでBSD/PC-UNIX/Linuxを入れようと思います。
換装したHDDは、2TBあり、OS(ディストリビューション)も1つでは持て余しそうなのでマルチブート構成にすることも視野に検討することにします。
VirtualBoxを始め、各種仮想化ソフトウェアでいろいろと試してみましたが、どうしても「これ!」というまでのものは思い当たらず、BSD/PC-UNIXの他、Linuxディストリビューションは多いので情報を集めるなり、DistroWatchのように一覧されている情報を見つけるなりして消去法でいくしかなさそうです。
ただ、これまで各種仮想マシンによる検証やSOTEC e-one/Win 98 SE、Fujitsu FMV C6320/Windows XP、dynabook Satellite T30 160C/5W/Windows XPなど実機におけるOS入れ替えを通して思ったことは、マシンスペックがどうあれ、OSは、また、デスクトップ用途ならデスクトップ環境もウィンドウマネージャだけでまかなうという選択肢も含めて軽いに越したことはないということです。
かと言ってマシンスペックからしてそこまで求める必要もないため、軽量化を突き詰め、busuboxなどトリッキーな手法を使ったPuppy、DSL/Damn Small Linux、Tiny Core Linux、Slitaz、これとは別にHDDへのインストールもできるものの、おもにLiveCDとして使うことを想定したKNOPPIXやSLAXのようなものは、今回、少なくともメインとしては、除外しようと思います。
また、仮想マシンの利用を想定しているのでマルチブートにするにしても少なくともメインとなるOSにおいては、マシンスペックと同等のスペックを要求するディストロは論外です。
今回、HDDの換装を機にRAMも1GBから2GBに増強してみましたが、例えば、(おそらく64ビットが2GB、32ビットは1GBのつもり?なのでしょうが)そもそもシステム要件に2GBを要求するLinux Mintやs3140jpが32ビットマシンなので64ビットマシンしか想定していないディストロももちろん論外です。
実は、これまではDebianやUbuntu以外のDebian系ディストリビューションはともかく、Ubuntuはロースペックマシンにおいては重いこともあって、また、軽量化を謳う「なんとかbuntu」は、統合デスクトップ環境の差でしかないと思われる為、Ubuntu系は避けていました。
が、ある日、何を思ったか、Ubuntuの派生と知りつつ、システム要件も確認せずに、ふとLinux MintのMATE版ISOディスクイメージをダウンロード、後で確認してみたらRAM2GB、とりあえずサブとしてマルチブート構成にして試しに入れてみる程度なら良さげ、一方、改めてシステム要件を見てみると避けていたUbuntuはRAM1GB以上とあり、それなら候補から外す必要もなさそうです。
ともあれ、Pavilion Slimline s3140jp用に1つ、または、複数のOSを選定するに当たり、複数なら仮想化ソフトウェアを利用してPavilion増強前は十分検証できなかった、または、全く確認したことがなかったディストロなどを確認するという意味でもメインとなるOSは、早く決めたいところです。
ここしばらくNetBSDを使っていましたが、OpenBSDはともかく、FreeBSDも気になりますし、illumosやOpenIndianaといったSolaris、OpenSolarisの派生や後継のUNIXも、ちょっと興味があります。
ただ、Vista上で利用していた仮想化ソフトウェアはVirtualBoxやVMware、QEMUであり、OS入れ替え後もこれら仮想化ソフトウェアの利用を想定しており、XenならBSD系でもLinux系でもよいでしょうが、この辺りは、Linux系の方がこなれているようなのでメインで使用するのは、Linux系となるでしょう。
なお、Linuxには、KVMというQEMUベースの仮想化の仕組みがありますが、要件として64ビットマシン及びハードウェア仮想化Intel VTxやAMD-Vが必要とされており、Pavilion Slimline s3140jpのCPUは、32ビットであり、さらにハードウェア仮想化機能がないため、QEMUはともかくKVMの利用はできません。
Arch LinuxはLive版を作る場合などは、最小構成から利用できますし、メインのOSとして考えた場合もローリングリリースで常に最新な状態を維持してくれ、その上、Archを使っていなくても有用な情報も多く、頼もしいので当然候補にしようと思います。
ただ、Arch Linuxの場合、最近よく使っているNetBSDのpkgsrc/pkg_*も同様にどうしてもというわけでもないものの、パッケージ管理ソフトウェアpacman用のGUIフロントエンドも1つの選択肢としてあってもいいのかなという思いもちらほらあってArch系のChakra、Manjaroも気になりましたが、Chakraは64ビット版しかなさそうなので候補から外れ、Manjaroは、AURは利用可能な一方、Archのリポジトリは使わず、オリジナルリポジトリを持つなどArchの単なるユーザーフレンドリー版に留まらない点で今なお候補としてあります。
他方、仮想マシンでも試したArchBangは、Archにウィンドウマネージャをかぶせただけであり、ウィンドウマネージャや日本語環境の導入方法を覚え、Arch LinuxやNetBSDで幾通りもやってみた今となっては、また、マシンもそこそこのスペックなのでウィンドウマネージャではなく統合デスクトップ環境も十分視野に入ることを考えるとArch Linux+統合デスクトップ環境やManjaroを候補とする方が妥当でしょう。
何かと馴染み深い?という意味では、Debian系やSlackware系よりもRed Hat系かなと思わなくもないですが、フリーのRed Hatは、Fedora CoreとともにFedoraに移行、サーバ用はのちにRed Hatが正式サポートすることになるCentOSですが、今のところサーバ用途は求めていないのでFedora、また、Red Hatからの派生でありながら、途中、方針転換、RPMパッケージの管理にDebianのパッケージ管理システムAPT/Synapticを使うことができる日本発の国産ディストロVine Linuxも少し気になります。
Debian系のSparky LinuxやRed Hat Linux由来、Mandrake、Mandriva系のMageiaも気になりますし、Arch Linuxの他には、CLI/CUIから自由に構築していくならDebianも良いかなと思います。
あまり書籍を読まないため、数はそれほど多くなく、最近はなおのこと読まなくなりましたが、保有する書籍の中でTurbo Linux社の書籍がかなりお気に入りだったこともあり、常々、Turbo Linuxも気にはなっていますが、今回は候補外に。
ざっと見る限り、Arch Linux、Debian、Debian系のUbuntu、Red Hat由来のVine Linux、Red Hat系のFedoraでは、VirtualBox、VMware Playerともに利用できそうですし、LinuxにはKVMがあるので調べるまでもなくQEMUも使えると考えてよいでしょう。
なお、VirtualBoxは、最新版でもx86/32bitのホストをサポートしていますし、VMware Playerの場合は、今なお、x86/32bitホストをサポートする過去のバージョンVMware Player 3.1.6もダウンロードできるので問題ないでしょう。(勘違いしていたようでバージョン4から32ビットホストのサポートが打ち切られたのは、WindowsのみでホストがLinuxなら最新版でも32ビットホストがサポートされていました。)
すぐに仮想マシンを利用するならデスクトップ環境がデフォルトのUbuntu、Vine Linux、Fedoraのいずれか、あとはマルチブートもしくは、仮想マシン上で決めればよさそうです。
システム要件上は、Ubuntu、Vine Linux、Fedoraどれも変わらず、パッケージ数からするとUbuntuか。。。Red Hat系RPMパッケージをDebian APT/Synapticで管理できるというVine Linuxか、エンタープライズ版Red Hat Linux、RHELへの反映を意識した実験的・先進的ディストリビューションFedoraか。。。
甲乙付け難いので、今回は、一瞬64ビット版しかないのか?と思わせる部分もありましたが、32ビット版もあり、他と比べてシステム要件、各種ISOディスクイメージのサイズなど書くべきページに書くべき内容が、わかりやすく簡潔に書いてあるFedoraにしようと思います。