ECMAScriptは、JavaScriptやJScriptを集約した国際標準規格のスクリプトです。
Netscape社(後継 mozilla )によってNetscapeNavigator 2.0 におけるブラウザ独自仕様として初めて搭載されたJavaScript、ブラウザシェア争いの渦中、後にMicrosoft社がInternetExplorer用に3.0から搭載したJScriptは、熾烈な競争の中、共通化しようにも共通化されにくい状況にありました。
それでも両社を交えて紆余曲折したのち、1996年11月からEcma Internationalという標準化団体の下で ECMAScript [ ECMA-262 ]として標準化すべく策定が開始されました。
尚、Ecma Internationalは、1959年、コンピュータの利用促進を目的に複数の事業者によって設立され、プログラミングの操作技術や入出力コードを共通化すべく1960年から標準化が・・・1960年4月27日、複数の事業者によるブリュッセルで持たれた会合で European Computer Manufacturers Association 、または、その略称としてECMAとして規格化すること、1960年までには、本部を ISO と IEC の本部にほど近いジュネーブにすることなどが決められました・・・。(History of Ecma)といったように比較的古くから、コンピュータ関連としては、相当に古くから存在した団体です。
JavaScript/JScriptに当たる通称 ECMAScript は、仕様上は、[ ECMA-262 ]として標準化され、1997年6月に第1版、1998年6月に第2版、1999年12月に第3版、第4版は存在せず、2009年12月に第5版、2011年6月に第5版の改訂版である第5.1版( 5.1 Edition )が標準化されました。
尚、少なくとも第5.1版( 5.1 Edition )は、JavaScript/JScriptをベースに、言語仕様についてはJava、正規表現についてはPerl5を参考に標準化が図られたと明記されています。
ECMAScriptに関しては、ECMA-262の他、2001年6月に[ ECMA-327 ]( ECMAScript 3rd Edition Compact Profile / ES-CP )、2005年12月に[ ECMA-357 ]( ECMAScript for XML 通称 E4X ) 2nd edition というXML対応のECMAScript拡張仕様も標準化されています。
特に意識されたJavaScriptやJScriptはもちろん、FlashのActionScriptやQtのQtScriptなど多くのJavaScriptの派生も1999年12月に発行された第3版からこのECMA標準に準拠しています。
但し、それに加えて実装(処理系)ベースの独自拡張がある場合もあり、(少なくとも第5.1版では、)仕様上も実装による拡張が許容されることが明記されています。
ちなみに設立経緯からも Ecma International は、ECMAScriptの為の団体ではなく、ITセキュリティ、データ圧縮、3D、オフィスツールとそのデータフォーマット、Windows API、C++/CLI、文字集合とコーディング....etc. といった具合にIT/ICT、コンピュータ全般において広く標準化(Index of Ecma Standards)を図っています。