W3Cは『World Wide Web Consortium』の略で「W」が3つ続くのでW3+Consortiumで通称W3Cですが、URLは「w3.org」です。
W3Cは、主にSGML(Standard Generalized Markup Language)やSGMLから派生したサブセットであるHTML/Hyper Text Markup Language、XML/eXtensible Markup Languageやスタイル定義のDTD、CSS/Cascading Style Sheet/XSL/XSLTなどの仕様策定を行う世界規模の標準化団体です。
また、携帯電話やPDAのウェブ環境の為のHDML/Handheld Dynamic LanguageやCHTML/Compact HTMLはHTMLから、ウェブコンテンツのデータ化を図ったXHTML/eXtensible HTMLは、XML+HTMLから派生、Web2.0やユビキタス社会の流れからカーナビや自販機、地デジ対応テレビ、家電などの対応の為に生れたWML/Wireless Markup Languageも仕様化されています。
更に、XHTMLから派生した携帯電話やPDAウェブ環境用のXHTML Basicなどがあります。
一方、図形・画像形式SVGのようにタグベースでブラウザ上に図形描画や特殊効果やアニメーション、スクリプトなども利用でき、図表プロットなどより複雑な処理ができる仕様や数学、科学技術計算などに利用されるMath系のマークアップ言語などの仕様化もなされています。
尚、DHTML/Dynamic HTMLは、HTML+CSSにNetscape社が開発したJavaScriptの3つを使って作ったHTMLドキュメントの事です。
ちなみにJavaScriptとXML、更に非同期通信技術を組み合わせることで生まれたAjaxという技術もあります。
W3Cでは、策定技術の進行具合を大きく5つの段階として示していて「Recommendations/勧告」されたものが、いわゆる公式(正式)バージョンとなります。
Recommendations | 勧告 |
Proposed Recommendations | 勧告提案 |
Candidate Recommendations | 勧告候補 |
Working Drafts | 作業中草案 |
Group Notes | 各Working Groupの特記事項 |
また、Proposed Recommendations(勧告提案)では、Proposed Edited Recommendations(加筆中の勧告提案)も経過として公開されています。
これらの内容は、http://www.w3.org/TR/で公開されています。
W3Cで「Recommendations/勧告」となっても各種ブラウザによって対応はまちまちである事も多く、不特定多数を対象とする場合には、注意が必要です。
W3Cは、協賛含め、数百社から成る団体であり、メンバであるMicrosoft(IE)やMozilla(Firefox等)は、独自拡張技術の勧告提案なども行う事がありますが、必ずしも採用され、勧告に至るとは限らず、勧告に至るにしてもそれまでには、それ相応の時間がかかり、検討はされるものの、勧告に至るか否か微妙というケースも含め、その間、当該仕様をブラウザ仕様に反映するか否かは、ブラウザベンダ、団体により、それに加え、仕様反映の進捗状況等々によるタイムラグから、ある時点においてW3Cの仕様全てが全ブラウザに反映されているとは限らないという状況が生まれることになります。
逆にMicrosoft(IE)やMozilla(Firefox等)は、独自拡張技術の勧告提案を行いつつ、自前ブラウザに機能搭載する事が多く、W3Cで勧告されておらず、他のブラウザでも利用されていない独自拡張機能を備えているという場合もあります。
これも不特定多数で利用者のブラウザを特定できない場合には注意が必要です。
世界でも一般的になったウェブ環境は、IRI/URI/URL/URN定義の内IRIの策定もあり、多言語のドメインを扱えるようになりました。
国際的な取り組みとしてW3Cでは、http://www.w3.org/International/で多様な文化や言語、scriptにおけるウェブ技術の可能性について検証しています。