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メモリ / Memory

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メモリとは?

メモリ / Memory

メモリ / Memoryとは

 コンピュータにおけるメモリとは、レジスタやキャッシュなどCPUが直接読み書き可能なRAMやROMに実装された記憶領域です。

高速だけど高い・・・
レジスタ
キャッシュ
ハードディスク
外部メディア
低速だけど安い・・・

 読み書き速度としては、レジスタ、キャッシュ、内蔵ハードディスク、外部メディアの順に、RAMとROMではROMの方が、遅くなります。

 容量単価としては、おおむね反比例し、内蔵ハードディスク、キャッシュ、レジスタの順に高くなる、つまり、レジスタは高価な為、利用可能な資源が限られますが高速、内蔵ハードディスクは安価である為、利用資源は比較的豊富ですが低速といったイメージになります。

 レジスタ用の記憶領域としてキャッシュがあり、特にPC用途においては、このように利用することでコストパフォーマンスを高めつつ、高速処理を行えるような構成になっています。

RAM/ROM

 RAM/Random Access Memoryは、任意の位置にあるメモリを自由に読み書き可能なメモリであり、ROM/Read Only Memoryは当初、その意味の通り、(当然製造時には書き込みできますが利用時には)読み取り専用メモリでしたが、後に1回または複数回書き換え可能なROMも広く利用されるに至っています。

 近年使われているRAMには、SRAM、DRAMがあってSRAMは高速だけど容量単価が高価で記憶保持する為のリフレッシュが不要なRAM、DRAMはSRAMよりは低速だけど安価で記憶保持する為のリフレッシュを要するRAMであることから、いわゆるメインメモリなどにDRAMを使い、CPUとメインメモリ間のキャッシュなどにはSRAMが利用されるケースが多くなっているようです。

 メインメモリ(主記憶装置/一次記憶装置)という表現は、一般にRAMを指しますが、概念としてはROMも含まれ、何れも初期のころは、真空管(電子管)によるものなどが使われていましたが、後に半導体メモリになっていきます。

配線切り替え、真空管からトランジスタへ

 手作業による配線切り替え、後に物理的なスイッチ操作による回路切り替えも1884年白熱電球の実験中にエジソンが発見したエジソン効果、1904年フレミングの2極真空管の発明、1906年、他者による3極真空管の発明などから真空管は通信機や電話回線に利用されるようになります。

 そんな折、1874年から70~80年の時を超えて半導体物質の発見から真空管を挟んで半導体素子であるトランジスタへ移行するという経緯を辿り、電子回路に大きな変化がもたらされました。

移行の経緯

 真空管とは、少量の稀ガスや水銀などを入れ、複数の電極を配置した容器内部を真空にしたものを高温で熱することで放出される電子(熱電子放出効果)を電界や磁界を使って制御することにより整流、発振、変調、検波、増幅を可能とするもので初期の電気・電子回路で使われていました。

 それよりずっと以前の1874年、半導体の性質を持つ物質における整流作用の発見、整流器(AC-DCコンバータ)の発明があり、それから70年以上経ち電気回路に真空管が使われていた頃である1947年に点接触型トランジスタ、1949年に接合型トランジスタが発明されると半導体需要が急増、当初から不安定かつ、かさばってしまう(場所をとる)という課題を抱えていた真空管は一気にトランジスタへ移行しました。

 更に1950年代後半から1960年代にかけ、その特許の優位性を巡って訴訟となり、結審する以前に互いに提携し開発されたIC/Integrated Circuit/集積回路の発明により、トランジスタはICに組み込まれるに至りました。

用語

真空:
圧力が大気圧より低い空間状態。
熱電子放出効果:
電子を放出する電極である陰極を高温で熱し、陰極表面から比較的低い電圧により容易に電子を放出させる効果。
整流作用:
ある特定の(半導体の性質を持つ)物質において電流の方向、大きさ、流した時間によって、それらの抵抗が変化する作用。
トランジスタ:
transfer/伝達、resistor/抵抗の造語、アナログ回路では増幅器、デジタル回路(半導体メモリ・マイクロプロセッサほか論理回路)ではスイッチ動作をさせる為の半導体素子として利用、但し、ICの登場以降、トランジスタはICに組み込まれることになります。

 半導体メモリには、揮発性(電源を切ると記憶情報が失われる)と不揮発性(電源を切っても記憶情報が保持される)という性質を持つものがあり、RAMは、揮発性メモリ、ROMは、不揮発性メモリの1つです。

 1990年代中ごろまでは出荷時に内容が固定されるマスクROMや特殊且つ高価なROMライタがあれば1回または複数回書き換え可能なUV-EPROM/EPROM/EEPROM/OTPROMなどが、以後、多くは、容易に読み書きでき変更可能なフラッシュメモリ(フラッシュEEPROM/フラッシュROM)に移行していきました。

 他方、BIOSが使い物にならなくなると起動すらできなくなってしまう(事例も多発、そうなると自前で同じボードを用意してROMを差し替えたり、業者にROM焼きを依頼せざるを得なくなったりする)ことなどから、1990年代後半には、BIOS内を固定部分と書き換え可能部分に分け、固定部分だけで起動を可能とすることによって安全を図るブートブロック方式を採用するROMが登場し、移行していきました。

 こうしたことから従前のようにRAMとROMを読み書き可能か否かで対比表現するには若干微妙な状況になっている気がします。

レジスタ / Register

 レジスタは、コンピュータでプロセッサが内蔵しているフリップフロップなどにより状態を保持する装置、または揮発性メモリであり、フリップフロップで構成されるRAMをDRAM/Dynamic RAMと対比して特にSRAM/Static RAMと呼ぶことがあります。

フリップフロップ:
順序回路の基本要素で1ビットの情報を一時的に二進数として0と1の状態として記憶することが可能な論理回路。

キャッシュメモリ / Cache memory

 キャッシュメモリは、IT/ICT用語であるとわかる状況においては、単にキャッシュと呼ぶことも多く、データの読み書きを高速に処理する為の一時保管場所です。

 キャッシュは、読み書き速度が速いデバイスから遅いデバイスにアクセスする際、速いデバイスが次の処理に素早く移れるよう、その速度差をカバーする為の仕組みで、主にCPU内、RAMやハードディスク(HDD)に置かれ、一般にCPUには最小限のキャッシュを、大容量のキャッシュはRAMやHDDに備えられています。

 尚、CPUに近い方からL1キャッシュ(Level 1 cache/1次キャッシュ)、L2キャッシュ(Level 2 cache/2次キャッシュ)、L3キャッシュ(Level 3 cache/3次キャッシュ)などと呼ばれ、L3キャッシュまでCPUに持つケースやL1がCPU内、L2、L3が外にあるケースなど、一様ではないようです。

 また、HDDの読み書きも同様の目的でHDDにキャッシュメモリを搭載するケースも一般的になっています。

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