Fedora 20 KDEのインストール、日本語表示及び日本語入力対応に続いては、Windows Vista上で作成した既存の仮想マシンを利用したいのでQEMU、VMware Player、VirtualBoxといった仮想化ソフトウェアを導入してみたいと思います。
尚、ホストOSはLinuxですが、当マシンは、Intel VT(ハードウェア仮想化支援機能)のないx86(32ビット)であり、要件上、KVMを利用することはできません。
ざっとではありますが、事前に調べた限りでは、Fedoraには、QEMU、VirtualBox、VMware Playerもインストールできそうな感じだったので実際にやってみようと思います。
まず、QEMUについては、Linuxには、ハイパーバイザ型仮想化ソフトウェアKVMがあり、これはQEMUを利用するのでFedoraにもQEMU自体はあります。
また、Fedoraでは、KVMとQEMU(、ものによってはXen)用のグラフィカルフロントエンドとしてAQEMU、GNOME-Boxes、virt-manager(Virtual Machine Manager)などが、標準でインストールできるようです。
ここでは、その内、AQEMUをコマンドラインから[yum install]か、グラフィカルフロントエンド[Software Management](Apper)でインストールしてみることに。
AQEMUの操作画面を見るとは、IBM PC 32bitの「ホスト」をサポートしていない模様で選択肢がないものの実際には32ビットの検証マシンでも利用できるのですが、ネットワーク設定がよくわからず、ISOディスクイメージだけでインストールが完結する例えば、FreeBSDはインストールできましたが、ネットワークインストール用ISOディスクイメージしかなかったNetBSDのインストールはできず、更に使い方を覚えないと厳しい感じ。。。
そこでVistaの時に利用していたQtEmuが使えないものかと探したら、rpm検索サイトhttp://rpm.pbone.netで下記のrpmを発見。
インストール後、起動させたら、見慣れたQtEmuの画面が現れ、設定後、起動しようと思ったら、仮想マシン画面が表示されない。。。なぜ?と思ったら、起動コマンドの変更が必要であることがわかりました。
[File] > [Configure]で[QtEmu Config]画面を開いてみると[QEMU Start command:]には、デフォルトで[qemu]と入力されています。
ふと[ls /bin/qemu*]としてみると[qemu]というコマンドは存在せず、CPU/マシンアーキテクチャーごとの[qemu-system-*]というコマンドがありました。
そこで[QEMU Start command:]の[qemu]を[qemu-system-i386]や[qemu-system-x86_64]などに変更、実行してみると無事起動できました。
とりあえずx86しか使う予定はないし、必要になったら変更すればよいのでこれで充分。
VMware Playerについては、VMware社のサイトから必要なバージョンの[.bundle]という拡張子の付いたスクリプトファイルをダウンロードし、bashに投げるか、実行権限を許可して実行するかしてインストールします。
勝手な思い込みにより、すっかり、VMware Playerは、バージョン3.1.6を最後に32bitホストOSのサポートが終了したと思っていて今回のマシンは32bitであり、VMware社のサイトでは古いバージョンも提供してくれているのでLinux用のVMware Player 3.1.6をインストールしてみるとカーネル云々でスムースに導入できず、ダウンロードページをよくよく見てみるとVMware Player 4.0含む以降でサポートが終了した32bit版ホストOSは、WindowsだけであってLinux用ならVMware Player最新版(6.0.3)にも32bit版はあり、Windows VistaからFedoraに入れ替えたこのマシンにおいては、VMware Player 6.0.3 32ビット版をダウンロード及びインストールすることで、あっさり、利用することができました。
というわけで早速、VMware Player 6.0.3 32bit版で仮想マシンを作成し、Windows 8.1評価版をインストール、更にVista上のVMware Player 3.1.6で作成していた既存の仮想マシンを追加してみました。
よく見ると英語版ですが、それはよしとします。
尚、どうやらVMware Player 6.0からは個人利用に限る無償版と有償版(VMware Player Plus)兼用となった模様、対価を払って入手したプロダクトキーをインストール中や後で入力することで[Plus]機能ができるようでプロダクトキーを入力せずにインストーラを進めれば、自ずと無償版として使えるようになっています。
[追記]Linuxをホストとしている場合、VirtualBoxは自動解決してくれるようですが、VMware Playerにおいては、Linuxカーネルのアップデート後の初回起動に限り、一部モジュールのコンパイルとカーネルへの読み込みを求められます。
VirtualBoxについては、事前に必要なパッケージをインストールの上、Fedora用のVirtualBox用リポジトリファイル[.repo]を[wget]した後、VirtualBoxを[yum install]します。
Fedora 20までは[download.virtualbox.org]をwgetする必要がありましたが、その後、Fedora 21にアップグレード(fedup)する際にリポジトリを眺めていたら、どうやらVirtualBoxがオプショナルリポジトリの1つ[rpmfusion-free]でFedora21用として入ったようです。
よって[download.virtualbox.org]をwgetしなくても[rpmfusion-free]を(旧yum localinstallも含む、現行の)yum installしておけば、VirtualBoxも[yum install]できます。
ちなみに、これらは、pbone.netで[Fedora 21]があれば、それを、まだ、なければ、[Fedora Other]をチェックして[rpmfusion-free-*]を検索すれば該当するものがリストアップされますから、そこから適切なものを選択後、お好みのミラーを選んで取得するとよいでしょう。
もし、[yum repolist all]の結果、[無効]になっているだけなら[yum-config-manager --enable ...]と(なければインストール)して[有効]にすれば、[yum install](や[yum update])できるようになります。
尚、MATE端末/LXTerminal/Konsoleなどでは、[yum repolist all]とした際、[有効]/[無効]及び[有効]なら収録数が表示され、仮にそうでない場合も収録数が表示されていれば有効、表示されていなければ無効と判断すればよいでしょう。
ちなみに既存のVirtualBoxがあって、これをアンインストールして[rpmfusion-free]から新たにインストールすると(アイコンが変わっていたり、)[Extension Pack]の追加や[vboxdrv]の設定云々といったポップアップメッセージが出る場合がありますが、そこにあるように前者は、Extension Packをインストールするか、当該仮想マシンのUSB 2.0サポートを外すなどし、後者は、再ログインや再起動、もしくは、端末から[sudo systemctl restart systemd-modules-load.service]などとすれば、仮想マシンを起動することができるようになります。
尚、kernel-develとdkmsも必要となりますが、Fedora 20では、[patch]パッケージをインストールすると依存関係としてこれらもインストールされるようになっています。
ホストとなるLinuxのカーネルバージョンと[/usr/src/kernels]ディレクトリにあるkernel-develパッケージと一緒にインストールされるカーネル設定ファイル[kenrel-headers]のバージョンが一致している必要があります。
この一連のインストール時点で最新版のカーネルを使っていれば、一致していることでしょう。
/etc/yum.repos.d以外でwgetした場合には、/etc/yum.repos.dにvirtualbox.repoをコピーします。
それから[VirtualBox]パッケージが大文字小文字混在であることに気をつけてVirtualBoxをインストールします。
VirtualBoxのインストールが終わったら、[/etc/init.d/vboxdrv setup]を実行します。
次に[usermod -a -G vboxusers user_name]などとし、VirtualBoxを使用するユーザーアカウントをvboxusersグループに追加します。
これで仮想マシンの作成や追加ができるようになります。(これらをせずに起動しようとするとエラーになります。)
後は、(もちろんあると重宝しますが、)個人利用及び評価版としてのみ無償配布されるエクステンションパックが必要なら、これをVirtualBoxのサイトからインストールしたバージョンに対応したエクステンションパックをダウンロードして任意の場所に保存、VirtualBoxを起動し、[ファイル (F)] > [環境設定 (P)]メニューから[機能拡張]タブを選択し、拡張パッケージの[追加]アイコンをクリック、ダウンロードしたエクステンションパックのパスを指定して追加します。
早速、Vista上のVirtualBoxで作った仮想マシンをFedora上にインストールしたVirtualBoxで[ (仮想マシンM)] > [ (追加A)]として追加、実行してみたら無事、起動できました。
Fedoraにも必要としていた仮想化ソフトウェアを全てインストールできたところで次は手持ちの周辺機器やオーディオ再生ソフトウェアなどの動作確認です。