インターネット利用環境は、今やパソコン、タブレットPC、ケータイ(ベーシックフォン、ガラケー・フィーチャーフォン)、スマホ(スマートフォン)、その他PDA(携帯情報端末)、携帯型デジタル音楽プレイヤー、家庭用ゲーム機や家電に至るまで多岐にわたって拡大しています。
便利だからこその広がりですが、一方で現実世界同様、危険もあります。
そこでインターネットをより安全に利用する為に必要な対策と心構えの一例を示してみたいと思います。
現実社会と同じようにインターネット上で見かける「うますぎる」話(文章・音声・映像)にはのらないことです。
近年、ウェブサイト(ホームページ)では、サイトによって利益創出、運営費用捻出などの目的でサイト運営者の意思とタイミングとは無関係に様々な広告が掲載されることも多いですが、広告出稿している法人・個人の全てが善意に基づくとは限りませんし、商品・サービスの提供元に許可なく広告を出稿するケースもあり得る為、「うますぎる」話に乗らないというのは、サイトや検索結果における広告についても言える話です。
Windowsのようなオペレーティングシステム(OS)におけるシステム更新は、サービス向上のほか、セキュリティ強化策の為に行われる場合も多々あるので基本的に最新の状態に保っておきます。
オペレーティングシステム(OS)が更新されない、セキュリティアップデートのサポートが切れると云う場合には、OSを入れ替えるか、そうでない場合には、危険が入り込む余地が最も低く、他者への影響が最も小さいと思われるインターネットに接続できない、そのパソコンではUSBメモリなども使わない状態で利用し、インターネット利用が必要な場合、セキュリティアップデートがなされるOSの入ったパソコンを別途購入するなどして入手する必要があります。
ある意味、戦争に似た循環があるような気もしますが、何れにしてもインターネット接続が前提となるような昨今、セキュリティ用ソフトウェアを利用することは必須となっています。
セキュリティにおいても有償、無償のソフトウェアがあり、セキュリティ用ソフトウェアには、ファイアウォール(ファイヤーウォール)と呼ばれるもの、アンチウイルスソフトウェアと呼ばれるもの、スパイウェア対策ソフトウェアやボット対策ソフトウェアなどがあります。
WindowsでもXP含む以降であれば、マイクロソフト社でもファイアウォールやアンチウイルスソフトウェアを無償で提供しているので少なくともこれをなければインストールして有効にします。
ファイアウォールやアンチウイルスソフトウェアは常駐(パソコンが起動している間は常時作動)させておくのが普通です。
ただ、既定または、設定済みのスケジュールや利用状況に合わせてウイルスチェックが作動するとパソコンの動作が重く感じることがありますが、場合によっては、ウイルスチェックが終わるまで、しばらく操作を諦め、安全のためと思って我慢することも必要です。
執筆時点では、Windowsの場合、ファイアウォールは、「Microsoft ファイアウォール」、アンチウイルスソフトウェアは「Microsoft Security Essentials」という名称です。
ちなみにファイアウォールは、ハードウェアとして対策を講じることもできますが、個人でそこまでするケースは稀です。
ブラウザとブラウザの設定などを参考にIEなら[インターネットオプション]メニューをクリックすると出てくる画面からブラウザのセキュリティ設定を適切に行うこともセキュリティ上、重要です。
一般に安全と見られるサイトには、国や地方自治体などの公的機関、教育機関、誰もが知っている大手企業、地域の誰もが知っている企業、公序良俗に反しないその他団体などがあります。
現実社会もインターネット上も基本的に「信用社会」、「信用取引」であり、「信用」がなくなれば、その後の存続が危ぶまれることから、そうそう悪さはしないだろうというのが、その根拠であり、よく考えてみると実は、この世の中、脆い根拠で成り立っていたりします。
同様に「実際に」多くの人に閲覧・利用されていることがわかっているサイトも比較的安全なサイトと言えるでしょうし、閲覧者個々人がよく知る店や団体、個人などのウェブサイト、ホームページも閲覧者個人としては、自身でその安全性を推し量ることができるでしょう。
「実際に」というのは、第三者が当該サイトの状況を正確に知り得る方法がない上、「○○人が見ています」といったような人数などのカウント数といったネット上の情報は、細工できる余地が多分にあるので一概に鵜呑みにできる情報でもなく、現実世界でもサービスが提供されている場合には、それらの事実を比較的よく知っていたり、そうでなくても周囲のインターネット利用者など複数人から聞くと評判がよいなど、より多くの情報から具体的に確認をとった方が安心といった考え方、心構えがベターです。
日本において国が運営するサイトのURL・ドメインは、末尾に[.go.jp]が付き、例えば、首相官邸のURLは[http://www.kantei.go.jp/]、国立国会図書館のURLは[http://www.ndl.go.jp/]です。
日本において都道府県が運営するサイトのURL・ドメインは、複雑化し、今尚、混迷しており、一概に特定しづらくなっており、当初、[pref.自治体名.lg.jp]が基本でしたが、東京都[http://www.metro.tokyo.jp/]、大阪府[http://www.pref.osaka.jp]といった[.gl]のないケース、東京都に至っては、[.pref]ではなく[.metro]のようになっています。
日本において政令指定都市が運営するサイトのURL・ドメインも一概に特定しづらくなっていますが、基本的には、[xxx.自治体名.lg.jp]で[xxx]部分が、[city](市,特別区)、[town](町)、[vill](村)]となりますが、東京都における自治体のように[http://www.city.自治体名.tokyo.jp/]となるケースと混在することもあります。
日本において初等中等教育機関および18歳未満を対象とした教育機関では、末尾に[.ed.jp]、高等教育機関、学術研究機関など教育機関が運営するサイトのURL・ドメインは、大学病院なども含めて末尾に[.ac.jp]が付きます。
但し、[http://www.高校名.metro.tokyo.jp]となる都立高校のように「都営」であることが優先される場合のような例外もあります。
今となっては国営ではありませんが、郵便局のURLは、[http://www.post.japanpost.jp/]であり、他方、都が運営する都営地下鉄は、[http://www.kotsu.metro.tokyo.jp/]です。
公的機関で使われるドメインの他、一般に利用されるドメインには、末尾に法人用ドメイン[.co.jp]、汎用ドメイン[.com]、[.net]、[.org]...etc.、情報系ドメイン[.info]...etc.、国別ドメイン[.jp](日本)、[.us](米国)、[.de](ドイツ)、[.gb](英国)、[.cn](中国)、[.ko](韓国)...etc.といったものもあります。
ただ、昔は取得費用が高額だった法人用ドメイン[.co.jp]は、比較的安心できるドメインでしたが、今や安価に売買されている為、仮に登記後に実体のない法人であっても取得に当たってハードルが低い為、一概に安全とは言い難く、汎用ドメイン、情報系ドメインに至っては誰でも取得でき、国別ドメインであっても他国の人でも容易に取得することもできるので、こうしたドメインを見ただけでは安全性を推し量る材料にはなりません。
これらの他、知る人ぞ知る、知らない人は全く知らないサイトとして、ソフトウェア関連では、Windows用ソフトウェア配布サイト『窓の杜』http://www.forest.impress.co.jp/、Windows/Mac/Linux他用ソフトウェア配布サイト『Vector(ベクター)』http://www.vector.co.jp/などは昔から多くのパソコンユーザーに利用されているサイトです。
例えば、単にhttp://www.post.japanpost.jp/と書いてあるリンクは、郵便局やココと書いてあるのと変わらないので一応、正しいかどうか確認する方が安全です。
確認方法の1つとしてもっとも簡単なのは、URLをポイント(マウスポインタを載せた状態・指し示した状態に)した時にブラウザの左下などに表示されるURL(前述の3つのリンクでは、全てjavascript:void(0)と表示されるので例としては下記)を参照することがあります。
http://www.post.japanpost.jp/
(例なのでリンク先に移動できなくても問題ありません)
確認に利用するのは、あくまでブラウザの左下に表示されるURLであって以下のようなリンク及びマウスポインタ付近に補助的に表示されるものとは別です。
http://www.post.japanpost.jp/
(これも例なのでリンク先に移動できなくても問題ありません)
一方、末尾の[xxx.jp]、[xxx.com]、[xxx.net]...etc.など[xxx]部分が同じでドメイン末尾が異なるURL、ドメインは、別個のものとして登録されるので[xxx]部分だけが同じでも同じサイトとは限りませんから注意が必要です。
資金力がある法人などでは、詐欺など事件が起きないように[xxx.jp]、[xxx.com]、[xxx.net]...etc.といった各種ドメインや場合によっては、[xxx]部分が似たドメインを事前に片っ端から取得、取得できない場合は、そもそも片っ端から取得できるドメインを取得するというケースもあり、場合によっては、どのドメインでアクセスされてもある特定のドメインに辿りつくように設定をしたり、複数のドメインを同時並行して別の目的に利用するといったケースもありますが、かなり稀です。
そうした配慮がさなれない場合や資金力がない法人、個人では、そういうわけにもいかず、全く無縁の法人、団体、個人に似たドメインを取得される可能性があり、特に影響力のあるようなそうしたドメインは往々にして詐欺目的に使われる可能性も排除できないのでURLは、末尾まで含めて全て記憶しておくのがベターです。
似たような話としてURL、ドメインは、変更になる場合もあり、使わなくても保持するには費用がかかるので手放された場合、一定期間は利用できないことになっていますが、この網をかいくぐったり、一定期間経過後に以前のドメインが、中古市場に出回り、全く無縁の法人や個人、任意団体に利用されることもあり、こうした場合、少なくとも訪問者に対して善意に基づく行動であることは、まずないのでドメイン変更に関する話題には日ごろからアンテナを張っておくこと、久しぶりに訪問するサイトについては、その辺りを注意しつつ見るといったことも必要です。
Yahoo!JapanやBing、Googleなどの検索においても一定の対策は講じられているにしても完全排除するのは難しいと思われ、検索結果の上位に出てきたからと言って、また、そこに掲載される広告でさえも善意のものばかりとは限らないので要注意です。
尚、URLの内、[http://www.~]の[www.]については、形骸化しており、ある場合もない場合も同じURLと考えて差し支えありません。
近年、URLで安全を推し量るのは難しくなってきてはいますが、このようにURL、ドメインの見方に慣れておくこともセキュリティ上、とても重要です。
インターネットは、自由に情報を発信できるわけですが、悪意をもった輩によるものだけでなく、情報の信ぴょう性には、注意が必要です。
当サイトの情報も含め、善意に基づき、どんなに正確に情報を発信しようと思ったとしても人間ですから間違いも十二分にあり得、誤字脱字、記憶違い、経験や知見の不足からくる誤認、誤解もあるかもしれません。
また、伝聞による曖昧な情報、都市伝説もなんでもかんでも真実と考えてしまった場合、善意であってもそうした人が発信した情報は、内容によっては、事実とはかけ離れてしまうこともあり得るわけですし、言葉による表現の限界や個人差による発信者と受信者の、受信者間の情報解釈の仕方の違いもありますし、SNSなどの交流サイトにおいて現実の素の自分をさらけ出す人もいるかもしれない一方、全く違う自分を演出する人もいることでしょう。
よって現実世界と同様、知り得た情報の真偽が重要であれば、あるほど、複数の情報を総合したり、あらゆる面を複合的に捉えて限りなく正しい情報として受け止めるといった適切な情報の取捨選択が、情報の受け手には自ずと求められます。
ケータイ、スマホに限らず、今はパソコンですら無線回線もありますし、便利なサービスやソフトウェアもたくさんありますが、物事には全てといっていいほど多面性があり、良い面があれば悪い面もある、素晴らしい機能を悪用する輩もいるといった少なくとも2面性があります。
今の世の中は、情報漏洩に敏感で盛んにコンプライアンス、ビジネス情報や個人情報保護含めセキュリティの重要性が訴えられていますが、一方で逆行する不自然な流れが世の中にはあります。
例えば、パソコンもスマホも無線でその辺に音声や文字データが飛び交っており、不特定多数という意味では、有線よりも無線の方が遥かに簡単に盗聴されてしまうでしょう。
また、ケータイやスマホにあるカメラや録音機能、メール機能やインターネット接続可能な環境は、便利である反面、状況によっては、悪用されやすいことも容易に想像される為、ビジネスの現場などでは個人所有の情報機器は持ち込まないのが鉄則でしたが、近年、BYODなどと謳って逆にどんどん持ち込もうという話になっていたりします。
更にネット上でも、従来その危険性からネット上に実名など現実の世界が露呈してしまうような情報を公開するのはやめましょうというのが常識だったにも関わらず、なぜか急に不特定多数の人に自分の家や居場所、日常生活すらも克明に晒してしまいかねない実名登録のSNSが流行していることや、そうした企業の新規株式上場や株価の変動に世を上げて絶賛し、浮かれていることなどは、滑稽としか言いようがなく、全く以って解せません。
併せて子ども達がハマり、親が高額料金を払わざるを得なくなったケースが多発したコンプガチャなどといわれる携帯電話上で遊べる登録無料を謳うゲームなどのアプリにおける仕組みも、そうした事態はむしろ予測できたはずなのになぜまかり通ってしまったのか、また、そうしたアプリメーカーがテレビCMを盛んに行い、これまた株式上場が注目され、投資家の注目の的になるなど理性の欠片もないようなひどい有様は、日本経済がにっちもさっちもいかないことの現れなのかとも思えてしまうほどです。
利便性の渦に巻き込まれた結果、知らず知らずに丸裸にされ、無防備になり過ぎているのか、世代交代によって違和感なく素直に受け入れてしまうケースが多いのか、そうなるように意図的に広く世界や国全体、社会全体が情報操作されているのか、はたまた情報が1社独占状態にあるかのような状況をなんだか変だと思うのは私だけでしょうか。
ちょっと話がそれた感がありますが、いずれにしても世の流れに無駄に惑わされないこと、情報をうまく取捨選択し、丸々鵜呑みにしないことは、現実世界においてもインターネット上においても大切なことでしょう。