仮想化ソフトウェアの1つVirtualBoxで作成した仮想マシンのゲストOSには、様々なOSをインストールできますが、このページでは、Linuxディストリビューション(ディストロ)の中から任意に抽出し、当サイトにおいてVirtualBox上で検証したLinuxの内、Damn Small Linuxのインストール及び起動について記します。
今回は、Damn Small Linux 4.4(dsl-4.4-0617-jp.iso)を使用させて頂きました。
Damn Small Linux、通称DSLは、KNOPPIXベースでデスクトップ環境を備えつつ、極小を目指したLinuxディストリビューション(ディストロ)です。
VirtualBoxでは、DSLは、メモリ32MBでも起動し、デスクトップ上に各種情報を表示するアプリケーションConkyによれば、検証時の起動直後の使用メモリ量は、14.6~14.7MB程度でした。
DSLのLiveCD版は、オートログインの上デスクトップが表示されますが、ハードディスクにインストール後は、デスクトップ起動前にアカウントとパスワードの入力を求められます。
その際には、アカウント[dsl]、パスワードはインストール時に設定したユーザー用のパスワードでログインでき、デスクトップ環境が起動します。
尚、各種アプリケーションが必要とするメモリ量は考慮していません。
また、特に指定がない限り、ここで示すRAM値は、各仮想化ソフトウェアでの仮想マシン作成時に指定した値であり、少なくとも一定以上のRAM値を指定した場合においては、そこから仮想化ソフトウェアが消費するメモリを差し引いた値が、ゲストOSで利用可能なRAM総容量として割り当てられているようです。
ハードディスクへのインストールについては、メニューからまさに[ハードディスクへインストール]、[Frugal インストール](GRUB/Lilo)が可能となっているものの、インストールに当たっては、予めターミナルを起動するなりしてfdiskやcfdiskでパーティションを作成してから実行する必要がありますが、インストール自体はあっという間に終わります。
DSLのパッケージの管理には、apt-getを利用できます。
但し、apt-getを利用する場合、いくつか設定をする必要があり、その1つに[DSL]メニューから[Application/アプリケーション] > [Tool/ツール] > [Apt Enable/Apt有効化]を選択する必要があります。
DSLのデフォルトのログインシェルは、bashです。
DSLのデスクトップ環境は、デフォルトがウィンドウマネージャJWM/Joe's Window ManagerでメニューからFluxboxに切り替えることもできるようになっています。
DSLのオリジナルは日本語に対応していない為、必要なら日本語版を利用するか、日本語環境を組み込む必要があります。
尚、スクリーンショットは、ライブCDの部屋で作成して下さった日本語版を理研ミラーでダウンロードさせて頂いたもので日本語キーボード、日本語表記、日本語入力・変換と日本語環境が整っています。
軽量で魅力的なDSLですが、それ以上追及する余地や需要がないということもあってか、開発自体は、2008年を最後に止まっています。
DSLに限らず、また、GUIに限らず、CUIであっても、どのディストリビューションでもそうですが、理由はともあれ開発が止まった場合、懸念材料としてセキュリティリスクが挙げられ、標的になり易いWindowsでサポート期限が切れたものよりは、かなりマシでしょうが、ネット接続を想定して利用するには、多少なりとも不安が残るところでしょう。
一方、スタンドアローンで良い場合、OSの起動だけならWindows 95/98/98SEが16MBでも動作するのでこれらOSがインストールされている物理PCならアプリを後から何らかのメディアを使って入れるにしても容易であることも含めて好奇心やどうしてもLinux、DSLという以外に、あえてDSLに入れ替える必要性が、見当たらなくなってきていることが残念な限りです。
と思ったら。。。
2008年06月09日にリリースされた安定版4.4の後、開発版ではあるものの、2012年08月04日に4.11.RC2がリリースされていたようです。
Damn Small Linux (DSL) Forums
Topic: Release Candidate for DSL 4.11